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【第14話】侍ジャパンRe:birth特別編

4番は中田翔より中村、柳田。NP野球執筆陣の選ぶ侍J必勝スタメン

2015/10/8

「野球国力世界一」を懸けて11月に日本と台湾で開催される「WBSC世界野球プレミア12」に出場する日本代表28人が、10月9日に発表される。

1次ラウンドでアメリカ、ドミニカ共和国、メキシコ、ベネズエラ、韓国と対戦する侍ジャパンにとって、ポイントになるのが開幕戦で激突する韓国戦だ。

そこでNewsPicksでは、普段からプロ野球を取材するライター4人が初戦を勝利し、世界一を狙うためのスタメンを考えた。

二層式打線のカギは柳田、秋山

氏原英明の選ぶスタメン>

1(二)山田哲人(S)
 2(右)柳田悠岐(H)
 3(左)糸井嘉男(B’s)
 4(指)中村剛也(L)
 5(一)筒香嘉智(DB)
 6(三)松田宣浩(H)
 7(捕)炭谷銀仁朗(L)
 8(中)秋山翔吾(L)
 9(遊)坂本勇人(G)
 先発投手 武田翔太(H)

※S=ヤクルト、H=ソフトバンク、B’s=オリックス、L=西武、DB=DeNA、G=巨人

<選出理由>

ポイントは2番と7番。このメンバーを見る限りでは、送りバントは捕手陣以外、必要ない。そう考えたときに2番は、打率、出塁率、長打率から考慮して、柳田が妥当。

7番に捕手を置いたのは、ここが打線の切れ目と考えた。8番・秋山を第二の1番打者と考え、坂本、山田と続いていく二層式の打線。

先発投手はシーズン200イニング以上登板の投手に関しては、起用法、選出如何を検討すべき。武田を選んだ理由は、勝っていること、登板数が200イニング未満であること、彼のカーブは初対戦では打ち崩せないだろうと考えた。

武田、大谷翔平(日本ハム)、安定感の菅野智之(巨人)を軸に、小川泰弘(ヤクルト)、西勇輝(オリックス)、黒田博樹(広島)らで回したい。

山田、柳田の3・4番が目玉

田尻耕太郎の選ぶスタメン>

1(左)秋山翔吾(L)
 2(遊)中島卓也(F)
 3(二)山田哲人(S)
 4(中)柳田悠岐(H)
 5(三)松田宣浩(H)
 6(右)糸井嘉男(B’s)
 7(指)筒香嘉智(DB)
 8(捕)炭谷銀仁朗(L)
 9(一)中村晃(H)
 先発投手 大谷翔平(F)

※L=西武、F=日本ハム、S=ヤクルト、H=ソフトバンク、B’s=オリックス、DB=DeNA

<選出理由>

4番には柳田。小久保裕紀監督にこれまで取材をした中で、次代のスーパースター候補としていつも1番手に名前が挙がるのが柳田だ。

ソフトバンクでは主に3番も、あえて「核」に起用。3番・山田との「トリプルスリー」3、4番コンビが今回の侍ジャパンの目玉になる。

また、2番に中島、9番に中村晃。相手が嫌がる野球で、“世界で勝つ”!

最強“ぶん回し系”打線

永塚和志の選ぶスタメン>

1(右)柳田悠岐(H)
 2(中)秋山翔吾(L)
 3(二)山田哲人(S)
 4(三)中村剛也(L)
 5(一)筒香嘉智(DB)
 6(左)中田翔(F)
 7(指)森友哉(L)
 8(捕)炭谷銀仁朗(L)
 9(遊)川端慎吾(S)
 先発投手 大谷翔平(F)

※H=ソフトバンク、L=西武、S=ヤクルト、DB=DeNA、F=日本ハム

<選出理由>

これまでのワールド・ベースボール・クラシックを見ていると、日本人のパワー不足やボールの飛ばなさも手伝って、シュアな打撃のできるバッターを重用する傾向が強かった。

だが、今回は柳田や山田、中村、森など“ぶん回し系”の打者で打線を組み、これからの日本の野球がこぢんまりとしないようにしてほしい。

注目は柳田。ぶん回す代表格だが、その一方で今季、出塁率4割6分9厘という抜群の数字を残すというやっかい極まりない選手だ。相手が手をこまねくところが見たい。

テーマは安定感&勝負強さ

中島大輔の選ぶスタメン>

1(中)秋山翔吾(L)
 2(三)川端慎吾(S)
 3(二)山田哲人(S)
 4(指)中村剛也(L)
 5(右)柳田悠岐(H)
 6(左)内川聖一(H)
 7(一)筒香嘉智(DB)
 8(遊)坂本勇人(G)
 9(捕)炭谷銀仁朗(L)
 先発投手 黒田博樹(C)

※L=西武、S=ヤクルト、H=ソフトバンク、DB=DeNA、G=巨人、C=広島

<選出理由>

選出テーマは「安定感」&「勝負強さ」。普段と異なる重圧のかかる世界の舞台で持てる力を出せそうな選手を並べ、優勝を狙いにいく。

上位打線には秋山、川端とバットコントロールと出塁率にたけた2人を並べ、山田から筒香までの強力打線で得点を奪う。

ショートは坂本と日本ハムの中島で迷ったが、勝負度胸に優れる坂本に期待したい。

開幕戦の先発マウンドを託すのは、誰よりも世界経験のある黒田。抑えは落ちるボールで勝負できる松井裕樹(楽天)と増井浩俊(日本ハム)を併用する。

注目の4番は中田翔か、中村か、柳田か

NP執筆陣のメンバーで特徴的なのは、小久保裕紀監督が4番候補とする中田翔を誰もその打順では挙げていないことだ。今季の中田はリーグ2位の102打点をマークした一方、打率2割6分3厘と確実性に欠けていた。

一方、3票の入った中村剛也は37本塁打、124打点で二冠に輝き、打率2割7分8厘とシーズンを通じて高いパフォーマンスを見せている。日本代表と縁のなかった主砲が国際大会でどんな打棒を発揮するか、興味深い。

昨年の日米野球でMVPに輝いた柳田悠岐は今季トリプルスリーを達成しており、国際舞台でさらなる活躍を見せてくれそうだ。

果たして、小久保監督は本番でどんな決断を下すのだろうか。

今回のようなオールスターメンバーを見る楽しみは、メンバーを予想することにある。ピッカーの皆さんもぜひ、おすすめ選手などをコメント欄に推薦してほしい。

(写真:Koji Watanabe-SAMURAI JAPAN/Getty Images)
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<連載「侍ジャパンRe:birth」概要>
プロとアマ、セ・リーグとパ・リーグなど、一つになり切れていない野球界を結束させる存在として誕生した「侍ジャパン」。さまざまなステークホルダーが存在する野球界において、侍ジャパンの担う役割は単なる代表チームではない。野球人気低下、競技人口減少という深刻な問題に対処すべく、球界の英知を結集させたプロジェクトだ。国内マーケットの拡大、そして世界市場に打って出ようとする侍ジャパンの取り組みについてリポートする。