アートを眺めると、課題の本質が見えるのはなぜか
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「アートはその「目的」自体を設定していくもの。「そもそも何が問題なのか?」「なぜそれは人間にとって必要なのか?」という根本的な問いを投げかけるものだ。そのアートの視点が、イノベーションの求められる時代には必要だと感じている。アートとは、絵画作品や彫像などの表現物だけを指すのではなく、「今の現状はこうなっているけど、未来はどうなったらいいのかという目線や考え方のことであり、人々に新しい世界の捉え方を提案する力だ」と考えている。」ということが、正にポイントである。
リチャード・フロリダの言を待つまでもなく、世界のクリエイティブクラスは大都会の中心に集まってくる。日本語の語感が表す軽いタッチの「クリエイティブ」ではなく、シュンペーターが言うところの「創造と破壊」の「創造」の部分を担う人々である。そこでは、常に古い価値観の破壊と新しい価値観の創造が繰り返されている。そういった人々に対して、論理ではなく直感で物事の本質を伝えるのがアートである。既に評価が確立された伝統的なアートではなく、新しいアート作品に出会って、「一体これは何なのか?」「作者は何を言おうとしているのか?」「この気持ち悪さは何処から来るのか?」など、見る人の心を揺さぶることが、新しい価値観創造の入口になるのである。
つまり、新しいアートとは、人々が新しい価値観を構築する前の柔軟体操を手伝ってくれるトレーナーのようなものなのである。だから、人々は新しいアートを見ると、これから始まるサッカーのワールドカップ試合の前のように、今から歴史が作られる瞬間に立ち会えるのだという期待感に胸を膨らませるのである。既成概念を崩すことがイノベーション創出に求められるのであれば、それを崩す為に、アートに触れてみることは大事なステップかもしれません。先入観を持たずに本質に迫れる作品に出会えるかが重要ですね。