[東京 1日 ロイター] - 大手百貨店4社が1日に発表した9月売上高速報は、そろって前年比プラスとなった。月の前半は台風上陸などの天候不順で苦戦したものの、シルバーウイークが好天に恵まれ、売上高も挽回した。

引き続き、訪日外国人の消費も堅調だった。

大丸・松坂屋を運営するJ.フロント リテイリング<3086.T>は前年同月比2.6%増、三越伊勢丹ホールディングス<3099.T>は同1.2%増、高島屋<8233.T>は同3.9%増、そごう・西武が同0.9%増だった。「上旬の降雨日数増や台風通過でマイナス影響を受けたものの、シルバーウイークが好天に恵まれたことで盛り返した」(Jフロント)という。

一方で、百貨店消費の中心とも言われる中間層の動きについては「ファッションの伸びは鈍く、中間層が戻ってきている感じはない。富裕層とインバウンドに支えられている」(高島屋)という状況に変化はない。

9月の訪日外国人の免税売上高については、Jフロントが前年比3.3倍、高島屋が2.8倍など、化粧品や宝飾品を中心に引き続き大きく伸びている。10月からは、免税対象拡大効果が一巡するため伸び率は鈍化が予想されている。

足元では、中国の経済減速の影響が懸念されているものの、「総じて影響は見られない」(三越伊勢丹)という。1日から始まった国慶節に対応する形で施策を打っており、「国慶節の免税売上高は、1日平均で通常日の倍を目指す」(Jフロント)など、各社とも売り上げ増を狙っている。

(清水律子)