東レ 伊の会社買収で炭素繊維事業強化へ
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炭素繊維は技術的な参入障壁が高く、市場シェアはあまり変動がみられない。今後炭素繊維の需要が高まっていくなかで、日系メーカー3社(東レ、三菱レイヨン、東邦テナックス(帝人))の動向には注目したいところ。
航空機の分野でも重要で、Boeing、Airbusともに使用量は上がってきています。素材やコストなどの話は過去の記事を参照。
①炭素繊維は鉄とアルミに勝るか?
https://newspicks.com/news/1113334?ref=search_103074
②「787」チタン使用削減へ
https://newspicks.com/news/1085136?ref=search_102799東レの最近の買収は素晴らしいと思う。炭素繊維に関しては、2013年にローエンドに強いZoltekを買収(①のコメント参照)。今回は加工系でハイエンドだと思うが、ammennilさんが書かれているように加工系で強化。自動車メーカーと開発するにあたって、バリューチェーンを幅広く持っておくことは重要だし、それを50億円で55%出資できるなら、捨て金となっても全然よいレベル。
また、2週間前に発表した②のLG Chemの電池材料(セパレータ)買収も、顧客とのつながりを強くするという点で素晴らしい。顧客とのつながり強化というのが両者の共通点。
①https://newspicks.com/news/702551?ref=user_100438
②https://newspicks.com/news/1159493?ref=user_100438これまでは「車で広く使われている鉄と比べて、コストが10倍以上高い」ため、「主に旅客機の機体や風力発電の風車」に使われ、自動車では「高級車のボンネット」などにしか使われていないとのこと。炭素繊維そのものの値段を下げていくことと、スケールメリットの追求と両方が求められると思いますが、この手の話でいつも難しいのが、「多少利益率をすり減らして値下げしてでも、販売数量の拡大を目指すべきか」「値下げすべきとして、値下げ幅はどの程度か」といった点。
鉄鋼メーカーとの競争も激化が予想されるとのこと。東レとしても、自動車に入り込めれば大きな市場拡大につながる可能性がある中、迅速かつ慎重な展開が必要とされる状況ではないでしょうか。