[大阪市 28日 ロイター] - ユー・エス・ジェイ(USJ)は28日、米ケーブルテレビ大手コムキャスト<CMCSA.O>傘下のNBCユニバーサルが、USJ株51%を1830億円で買い受けることで合意したと発表した。検討していた株式の新規公開(IPO)はいったん取り下げる。

コムキャストは約5年前にNBCユニバーサルを買収し、米国外での成長機会を検討していた。USJへの投資は関心事だったが、話が急速に具体化したのはここ数週間のことだったという。USJには海外からの来日観光客を含め、来場者が大幅に伸び続けており、コムキャストはこうした成長機会をとらえたい考え。今後の投資拡大にも意欲をみせたが、沖縄でのUSJ建設については、コメントするには時期尚早として明言を避けた。

コムキャストはUSJの企業価値を7500億円(62億ドル)と算出した。内訳は負債4000億円と株主価値3500億円。

USJのCEOを務めるグレン・ガンペル氏は退任する。譲渡完了は11月1─15日の見通し。後任にはユニバーサル・パークス&リゾーツCFOのジャン・ルイ・ボニエ氏を起用。IPOの計画について、コムキャスト会長兼CEOのブライアン・ロバーツ氏は会見で「新経営陣の元で再度検討する」と述べた。

会見に同席したUSJの大株主でゴールドマン・サックス証券のマーチャント・バンキング部門アジア・パシフィック共同統括責任者、アンクル・サフ氏は、元々IPOを検討していたのは確かで上場申請もしたが、今後10年、20年後を考えるとコムキャストへの売却が最適と判断したと説明する。

サフ氏によると、ゴールドマンは今回の売却でUSJ株式のすべてを手放すわけではない。ただ、残り49%の株主構成の詳細は非開示。発表資料によると、既存株主のMBKパートナーズ、米ヘッジファンドのオウル・クリーク・アセット・マネージメントらは、引き続き少数持ち分を継続する。

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(江本恵美  編集:宮崎大)