住友電工、高強度の車用電線 アルミ合金使い重量半分に
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重量半分というのは、自動車メーカーにとっては大きいだろう。記事にあるように電装化は進展しているし、制御周りの信号伝達においては抵抗率の影響は小さいだろう(動力として電流供給する部分は、銅が引き続き使われるだろう)。
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実際は銅もアルミも合金なので、価格も物性も純金属とは異なるが、銅とアルミをザックリ比較。
密度は銅の8.94Mg/m3に対しアルミは2.70Mg/m3と、アルミが銅の1/3以上軽い。加えて価格面でも、2015年8月の代表値で比較して銅の約680円/kgに対してアルミは約250円/kgと、価格面でもメリットが大きい。
ただしアルミは素材としての電気抵抗率が約28nΩ.mと、銅の16.8nΩ.mより1.5倍以上大きい。同じ線形と長さの場合、電気抵抗率が高いと損失が増える。これは特に電力供給では効率低下に直結するので問題。
電線が持つ電気抵抗Rは、ρを素材の電気抵抗率、Lを長さ、Aを断面積として以下の式で表される。
R=ρ(L/A)
つまりρの大きな素材を用いてRを下げたい場合、Lを短くするかAを大きくすればいい。回路設計上、Lは一定にせざるを得無い場合が多く、Aを大きくして対応する事が多い(はず)。ただし断面積が太くなる分、重量が増え価格は高くなる。このトレードオフのバランスを、物性に合わせてどう設計するかが、実用上のポイント。
密度が1/3なのに重量が半減という事は、電気抵抗率が1.5倍違うので断面積を1.5倍にすればいいという理屈とザックリあっていて、おおよそ原理原則に従っている印象。電装メーカーって結構面白いんだよな。化合物半導体作ってたりするし。次世代パワーデバイスとか、ホットな追い風あるよね。
http://www.sei.co.jp/products/compound-semiconductor/