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バイクタクシーの配車アプリも議論の的に

ジャカルタでウーバー論争勃発するも、日本人マダムは断固ウーバー派

2015/9/20

日本は酷暑の後、一気に秋になったと聞きます。しかし、こちらジャカルタは、8月だろうと1月だろうと、変わらず夏。むしろ朝夕少しだけ涼しくなってきた(インドネシアは6月ー10月頃は観光のベストシーズン。雨はほぼ降らないし、気温もそこそこ安定しているのでオススメ)感じです。

先月、8月17日には独立記念日を迎えました。例年、インドネシアの国旗である「紅白(メラプティ:メラ=紅、プティ=白の意)」が街中を埋め尽くし、テレビなどのメディアも、インディペンデンスデイ関係の放送であふれました。

この時期、市場でお店をしている人たちも大忙し。「紅は勇気、白は神聖さを表す」と言われるこの国旗は、この時期は特に売れ行きが良く、市場でお店を構える人たちは超多忙。今年は特に、独立70周年を迎えること、また初の民間大統領・ジョコウィ氏就任後初の独立記念日、ということもあり、当地メディア情報によると、例年以上の売れ行きの良さだそうです。

知人のインドネシア人いわく、インドネシア人にとってこの独立記念日は重要な意味を持つそうです。

「独立のために戦った人々やこの国の憲法が持つ意味(『パンチャシラ(国家五原則)』)を振り返り、先人たちの功績を称えるこの日は、自分がインドネシアという国家を構成するひとりだということを実感する日でもあるんだ……」

私もこの国では外国人ですが、このお祝いムードに乗っかって、メラプティのナショナルフラッグ(大きめ)を購入しに行きました。

意外と日本人マダムに不評なインドネシアのイオンモール

続けて、最近のインドネシア関係のニュースを2つほど。

まずは、インドネシア初出店となるイオンモールが開店から数カ月がたち、当初は工事中が目立った施設内も約250店がオープン、本格的に始動しているという話題です。家電から生活雑貨、家具、美容関係などさまざまな店舗があり、毎週週末には家族連れやカップルでにぎわっているそうです。

ただ、こちらに住む日本人女性たち(未婚・既婚・主婦・ワーカー、のどの層も)の評判は、いまひとつ……。いわく、当初、イオンに期待していたところとして、

(1)日本で購入できるような調味料(イオンブランドも含め)がきっとたくさん置いているはず! 

(2)(1)に準じますが、間違いなくアルコールも買えるはず!

(3)(1)と(2)にまた準じますが、女性が欲しい小物で、なかなか海外にないもの(ストッキング、プチプラインナー系)で気の利いたものがあるはず!

(4)子ども用品ももちろん、日本のイオンで買えるようなものが売っているはず!

というところでした。が、いかんせん、どれも期待外れだったらしく……。

唯一、(3)に関係するところとして「ストッキングはまああったかな」という程度。ああ、イオンパワーに期待しすぎた私たちがダメだったんだろうか……、とため息を漏らしています。

もっとも、インドネシアでイオンに行けるだけでも、ほかの土地やかなり以前から住んでいた人からしたら、かなり革命的な出来事のはず。

そのうえ、イオンはレストランの種類・内容もかなり充実しているらしく、『デリシャス!』というお店の評判はまだ聞きませんが、果汁100%のジュースなどを販売するジュースバー、なんていう、ちょっと女心をくすぐるオーガニック系店舗も出店しています。

また、オーガニックと言えば、数年前からジャカルタの外国人御用達のマーケットではオーガニック野菜や製品の取り扱いがありましたが、最近はジャカルタ市内に、オーガニック専門の八百屋? 風なお店もでき、消費者の食の安全に対する意識が年々高まっていることがうかがえます。

外食する機会の多いジャカルタですが、自炊するときはやはり、自分にも家族にも体にいいものをとりたいもの。こういうヘルシーなお店が増えてくれることは有難い限りです。

バイク版の配車アプリも非難の的?

2つ目の話題。日本でもたまに話題になっているようですが、ここジャカルタでも配車アプリ大手の「Uber(ウーバー)」のサービスが最近問題になっています。

アプリでいつでもどこでも配車オーダーができること、また、既存のタクシー会社よりも安価なことで、使い勝手は非常にいいのですが、既存のタクシー業界は、ウーバーの配車サービスに猛反発。国会でも、ウーバーだけでなく、スマートフォンを利用する配車サービスの規制を求める動きがでています。

大手タクシー会社のある役員は、税金を支払わずに、既存のタクシー業界よりも安い価格でサービスを提供していると糾弾しているそうです(日本でも同様のニュースがありましたね)。

ジャカルタ特別州のアホック知事も「ウーバーが営業許可を取らない限り、営業を認めない」姿勢を示しています。が、実際には利用者数はうなぎのぼりだとか……。

このウーバーですが、2014年8月にジャカルタに進出。私自身もたまに利用するのですが、おおむね平均20分前後で迎えに来てくれるので、タクシーを捕まえられないイライラを感じずにすみます。また、車種はベンツやカムリなど高級路線のものも多く、社内も清掃が行き届いていて非常に快適です。

支払いはあらかじめ登録しているクレジットカードで決済するので、降車時のトラブルもなし。大体のウーバーには、無料でお水などが用意されており、何となく得した気分になります。

「渋滞が多い=車の中にいる時間が長い」ジャカルタなので、車の中の環境は少しでも良いほうがいいんですね。ということで、周りの女性にもウーバーは大人気です。

と、利用者側からすると、選択肢も増えるので、ウーバーのようなサービスは非常にありがたいのですが、このウーバー問題をきっかけに、ほかの配車アプリサービスも議論の対象になっています。

オジェック(バイクタクシー)の配車アプリで、現在約1万人の運転手が所属する「ゴジェック」にも、一部関係者は反対していると聞きます。現地の人は特に、安価でキレイなこのバイクタクシーに対して、とても好意的ですが、既得権益を守りたい側にとっては二輪も四輪も新規参入に持って行かれるのは面白くない、ようです。

ちなみに外国人の目から見ると、普通のバイクタクシーよりも、運転手さんがサービス名ロゴのジャンパーを着ていて何となく安心で、清潔な「ゴジェック」を選んでしまいます。

<連載「『駐在員妻』は見た!」概要>
ビジネスパーソンなら一度は憧れる海外駐在ポスト。彼らに帯同する妻も、女性から羨望のまなざしで見られがちだ。だが、その内実は? 駐在員妻同士のヒエラルキー構造や面倒な付き合いにへきえき。現地の習慣に適応できずクタクタと、人には言えない苦労が山ほどあるようだ。本連載では、日本からではうかがい知ることのできない「駐妻」の世界を現役の駐在員妻たちが明かしていく。「サウジアラビア」「インドネシア」「ロシア」「ロサンゼルス」のリレーエッセイで、毎週日曜日に掲載予定。今回は「インドネシア駐在員妻」編です。

【本文執筆】 Ms.ムサコ
バブル期を知らない1970年代後半生まれ。
地方都市出身→東京にて10数年企画編集・PRなどの仕事に従事→インドネシア住まい。
語学スキルゼロ&人見知りにもかかわらず、後先考えず外国人に話しかける癖あり。
ゆるゆると日々のおもしろ出来事を収集中。