【金融編】ソニーの金融事業は、もっと真剣に成長戦略を考えよ
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多くのソニー論では、資金フローの観点にたつとSFHから配当がソニー本体に還流するくらいで事業シナジーはないと言う点が軽視されがちです。しかも今の本業は随分に種まきをしたものばかりで次の10年への種まきが不足気味。EVのディスカウントを払拭くらいの気概を求めたいと考えます。
ソニーのグループ戦略をどうすべきかはさっぱり分かりませんが、個人的には金融事業に成長の原動力としてミッションを課すより、(多少の工夫をしながらも)現状の軌道でいいのかなと思います。
SFHはソニーのコア事業のまさに「保険」の役割なので、コア事業の損失のショックアブソーバーとしての役割を持たせておくだけで、バチは当たらないのではないかと思います。
そういう無理をさせない経営だったのを反映してか、上場生保のEV倍率でソニー生命は長期間プレミアムでしたからね。ソニーを担当すると一度は悩む金融事業。この事業は国内比率が高く、ソニー(全体は)グローバルで成長します!といわれると、エレキやエンタメ事業については可能性を認めることはできるのですが、金融も海外で勝負できるのか?と考え始めると、悩みます。今日本の生損保が血眼になって海外の保険会社を買いあさっています(横並び意識も甚だしいと思いますが)が同じ戦略をソニーがマジョリティを持ったままできるかも疑問です。むしろ海外の保険会社はソニーフィナンシャルを以前から魅力的な企業と評価しているので、本気でソニーのマネジメントがコミットできないのであれば、売却する機会はあるはずです。SFHは一度上場した手前保有比率を薄めていくのが筋なんでしょうが、連結決算上の収益の見せ方で今は外しにくいというのがずっと続いてきた、というのが実際のような気もします。