【金融編】ソニーの金融事業は、もっと真剣に成長戦略を考えよ

2015/9/12
ソニーグループで最大の利益を稼ぐ金融事業は、「孝行息子」としてソニーの土台を支えている。しかし、金融事業は安定はしているものの、明確な長期成長戦略が見えてこない。金融事業のさらなる成長のために必要なことは何か。アナリスト集団ロンジンの椎名則夫アナリストが分析する。

金融事業は、ソニーの「孝行息子」

ソニーのIR資料を見る限り、金融事業は連結子会社であるソニーフィナンシャルホールディングス(SFH)と同義として扱われている。SFHにはソニー生命、ソニー損保、ソニー銀行、そして介護事業が含まれている。現在ではソニーの有力事業という位置付けだ。
実は、筆者が一抹の寂しさを感じるのはここだ。ソニーは日本で普及している非接触型ICカードのFeliCa(フェリカ)を推進してきた。
もしEdy(エディ)がソニーの手元に今あれば、リーダー/ライターの普及が進み、今ごろ資金繰りがよく決済情報が集まる貴重なビジネスができていたかもしれない。しかし、残念ながらそういう展開にはならなかった。
初めから不満を言うのはやめておこう。定石通り、SFHに焦点を当てて議論を進めたい。
ソニーの連結営業利益に占めるSFHの存在感は絶大だ。