企業の変革は「理」で考え抜き、「心」でやり抜く

2015/9/1
第14回は、前回から引き続き、企業の変革について語る。一体、変革には何が必要になるのだろうか。朝倉氏が独自の視点で3つの要素について語る。
前回は企業の変革というお題について理屈の面に焦点を当て、ざっくり思うところを並べさせていただきました。
ところで書いている当人が申し上げるのも甚だふざけた話ではありますが、この手の話を一般論として述べても、「そりゃそうやがな」という程度のあまりにありきたりな内容にとどまってしまいます。てんで面白くない。本当は、変革過程の現場で生じる具体的な出来事や生々しいエピソードの中にこそ、滋味深い学びがあるのでしょう。
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント理論にのっとって、個別の事業を、やれ「スター」だ、やれ「負け犬」だと仕分けすることは、さして難しい話ではありません。本当に難しいのは、「負け犬」と仕分けられた事業をどう着地させるかであり、そこに従事する人たちにどう伝えるかです。
変革に影響を及ぼす「理・心・運」
変革の過程では、さまざまな構成要素が影響を及ぼします。ひとつの切り口として、私は事の成否を「理」「心」「運」という3要素の観点から捉えています。
「理」とはすなわち、頭で考える内容です。戦略と呼ばれる類いのものはここに分類できるでしょう。「心」とは、理から得られた結論を遂行しきる胆力であり、遂行した結果を背負うことと捉えています。「運」は読んで字のごとくです。ポイントは、こうした構成要素が結果に寄与する比率です。
禅問答めいた話で答えなどありませんし、裏付けのない感覚値ではありますが、この点、私はざっくり、「理:心:運」の割合は「1:4:5」程度ではないかと考えています。運はさておき、前二者を比べてみれば、本来は心のほうが理よりも圧倒的に影響力が大きく、なおかつ重みのある要素ではないでしょうか。理屈が事の成否を左右する度合いというのは、存外限定的なのだと思います。