凍結乾燥食品特集:長野地区動向=OEM受託は順調 製品の市場開拓も進む
2015/08/17, 日本食糧新聞
【長野】味噌や農産加工など、地域の主要な食品製造業が用途・事業拡大を図る過程で発展を遂げた、長野県のFD業界。最終製品の市場活性化で、各社とも基軸のOEM受託をはじめ、NB展開も順調に進んでいる。
●アスザックフーズ
展開に注力するNBの最終製品が堅調。ラインアップは現在、約30アイテムに広がる。この秋も、9月1日に新製品「3種のハーブのコンソメスープ」(4食入り)を発売。個食、少人数向けの惣菜シリーズも、着実なリピーター獲得で伸長している。
「FD製品に対する消費者の認知度の高まりに伴って、先行したCVSはもちろん、一般スーパーなどでも棚が広がっている。基軸のスープ以外にもカテゴリーを増やし、NBの育成に力を入れていく」(同社)。
稼働状況も上向き。生産量ベースで前年同期に比べて5%ほど伸びており、中国、ベトナムの海外工場も稼働の安定化が進み、増産をけん引している。
15年1月、須坂市の本社前にオープンした同社初の直営店「Chef's Table」(シェフズテーブル)も、FD・AD製品の優位性を発信しながら、消費者の声を直接聞く「コミュニケーションショップ」として、活用を図る方針。
今夏も、地元の小学生親子を対象に、FDの素材、具材を使ってスープを作る夏休みイベントを開くなど、市場拡大と需要創出に向けた拠点として、存在感を高めている。
●日本エフディ
最終製品の活発化で、OEM受託は順調に推移。15年1~6月期の稼働率は、前年同期に比べて7%ほど上がっている。後半戦も、おおむね同じペースで推移する見込みだが、「受注の安定化が鍵。親会社のアサヒフードアンドヘルスケアをはじめ、アサヒグループ内からの受注拡大を図ることで、基盤強化を図りたい」(金森真一社長)。
新規受注が活発なのはフルーツ系。菓子用のパウダー、カット物などが増えている。健康食品関連も堅調をキープ。試作などの依頼も増加傾向で、「製造技術、開発の能力をアピールしながら、先の受注につなげていければ」。
動力費など製造コストの圧迫と併せ、課題に浮上するのが人手不足。
製造現場はもちろん、間接部門でもその傾向が強まっている。「小ロット製品の増加などで、対応のフットワーク向上が求められており、供給に合わせた態勢整備を急ぎたい」構えだ。
(西澤貴寛)
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