天津市の倉庫で新たな爆発や火災 国営メディア
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炭化カルシウムが原因という報道①もあるので、炭化カルシウムが水と反応してアセチレンを生成する反応を考えてみる。
CaC2(炭化カルシウム)+2H2O(水) →C2H2(アセチレン)+ Ca(OH)2(水酸化カルシウム)
炭化カルシウムが水と触れると上記のような反応を起こすが、この段階で燃焼しやすいアセチレンだけでなく、水酸化カルシウムも生成される。水酸化カルシウムはアルカリ性が強く人体に有害で、皮膚に触れると火傷のような症状が出るし 、目に入ると失明等の危険がある。これが大量にある中での救出、消火活動は難易度が高いと思う。除去は酸で中和する等の方法があるが、アルカリにしろ酸にしろ流出対策も必要なので中々大変。この辺の対策、日本が協力出来る余地は大きいと思う。
水と激しく反応し副生成物も有害な物を、トン単位で保管している所で、水を使って消火活動するって言うのは、管理の根本が出来ていなかったとしか思えない。周辺に似たような物質が残っていると、この報道のように二次災害が起こる可能性も高く、その点も心配。
備考
アセチレンと水の反応。
C2H2(アセチレン)+5/2O2(酸素) =2CO2(二酸化炭素)+H2O(水)+ 1300kJ(反応熱)
TNT換算で24tという報道②、熱量一定と過程するとTNT24t分に相当するアセチレン量は約2t。
24(t)×4.2(kJ/g)/50(kJ/g)=2.016t
(TNT =4.2kJ/g、アセチレン=50kJ/g)
2tのアセチレンを生成するのに必要な炭化カルシウム量は、上記反応とアセチレン分子量=26g/mol、炭化カルシウム分子量=64.1g/molから、約5t。
2.016t/26(g/mol)×64.1(g/mol)=4.97t
①http://www.reuters.com/article/2015/08/14/us-china-blast-idUSKCN0QH2B220150814
②http://www.afpbb.com/articles/-/3057266下記BBC英語記事のほうが詳細ではあるが、3キロ圏内避難命令が出たとのこと。シアン化ナトリウムという毒物が見つかったのが背景だが、現段階で当局が公式に発表した薬品名は炭化カルシウム(水と反応すると爆発するアセチレンの元)、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム。
http://www.bbc.com/news/world-asia-china-33945293