東芝 vs. サムスン。フラッシュメモリという絶対に負けられない戦い
2015/08/13, NewsPicks編集部
電気業界の「世界No.1 vs. 日本No.1」
東芝の最後のよりどころ、半導体に期待
2015/8/13
日本で頂点に立つ企業と世界トップの実績を誇るグローバルカンパニー。両社にはどれほどの差があるのか。日本と世界の距離はどの程度、遠く、近いのか。主要な業種・業界における世界のNo.1と日本のNo.1を比較する本連載。アナリスト集団、Longineのアナリストがデータと自らの見識をもとに分析、日本企業が将来、世界トップに立つ確率も予測する。第5回は、電機業界。サムスン電子と東芝を比較する。
東芝のシェア、存在感低下は必至
周知のように、不正会計問題により東芝は、存亡の危機にある。すでに第三者委員会と自主チェックにより1562億円の要修正額が明らかになっているが、巨額ののれんと繰延税金資産の減損リスクは払拭(ふっしょく)されていない。
また、一連のスキャンダルにより、東芝全体の従業員の士気の低下、受注活動の停滞、ブランドの低下による業績への影響も、極めて気掛かりである。
第三者委員会が指摘したように、今回の事案の発生原因が「当期利益至上主義と目標必達のプレッシャー」が主因であるとすると、事案再発防止のため、その姿勢を180度転換することが求められる。
この結果、東芝の受注活動は、今後は極めて“おとなしい”ものとなり、新規性が高い受注案件には手を出さなくなることが想定される。そのため、東芝のシェア、存在感は多くの事業分野で低下していくことが予想される。
とはいえ、1つだけ、そうはならないと期待される分野がある。それは、高い国際競争力を確保し、これまでのところ、不正会計が顕在化していないNAND型フラッシュメモリ事業である。
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コメント
注目のコメント
総合電機メーカー対決ならば、日本No.1は日立(連結売上9.7兆)であるべきでしょうね。記事にもある通り実は半導体対決にしたかったのだとすると、世界No.1はインテルであるべきです。「世界No.1 vs. 日本No.1」というタイトルにそのまま従うなら、対決企業の選択はやや不適切。半導体日本No.1は東芝でありその事業はほとんどフラッシュメモリであることから、実質の対決先はサムスンとなりフラッシュメモリ対決の構図にフォーカスしたものと理解しています。
http://news.mynavi.jp/news/2015/08/10/221/
気になる連結従業員数ですがサムスン少なすぎです。WIREDの記事には27.5万人とあり、こちらの方がおそらく正しい。売上/従業員数で日立(9.7兆/33.3万)、ソニー(8.2兆/13.1万)ですから実際にFab.を持ちものつくりをしているサムスンが22.6兆/9.8万はないと思います。
http://wired.jp/2014/09/29/samsung-has-more-employees-than-google-apple-and-microsoft-combined/
さてフラッシュに関して言うと現時点では技術力も事業規模も収益力も互角と言って良いでしょう。フラッシュメモリはDRAMよりは構造は複雑あるものの、インテルが作っているようなMPU(マイクロプロセッサ)ほどではありません。そうなると他の半導体にも増して規模の経済が重要となり、年々開発難易度が高く費用も膨れ上がる微細化に投資を続けられるかがカギです。東芝は今迄は頑張ってきましたが、5年先は…という不安はあります。
しかし、フラッシュメモリは今後も需要は確実に伸びる分野です。SSDがなければ我々がスマホを手にすることもありません。世界1社体制は調達の面でもリスクですから、性能で大きな差がつかない限り東芝が極端にシェアを落とすこともないとは思います。日本の半導体業界の勝ち残り企業としてこれからも踏ん張って欲しい。今回の会計問題が影を落とさないことを願うばかりです。タイムリーにSamsungのセグメント推移の記事があったので①参照。そして、半導体というかNANDに関してはスピンアウトというのも妥当。これまで②などでコメントしてきたが、シャープの液晶と同じで、設備投資が必要で、財務体力が必要。今回の不正会計でNANDは上がってないが、連結で財務が弱くなっていて、十分な設備投資をできなくなる可能性がある。そこで競争力の差ができると、今後追いつけない。日本の半導体メーカーで東芝が残っているのは、他ではできなかった「投資をし続ける」という意思決定をしっかりやってきたというのも一側面。
これは3Dフラッシュメモリにも通じる話で、2014年末に、新工場の設備投資をするか意思決定をするという方針を示しているが、その後、不正会計で揺れてそれどころではない。③にパートナーのSanDiskの日本法人社長のインタビューがあり、「判断タイミングに影響はない」と言っているが、不正会計処理にマネジメントリソースが割かれていることと、財務面という二つの面で、確実に判断タイミングにも執行力にも影響を与える。
そう考えると、SanDiskから分離のプレッシャーがかかったり、PEと併せて工場買収含めてやるといったプランが出てくることもありうるかと。個人的にはIntel・Micronとの大連合が見たいが…
①https://newspicks.com/news/1106354
②https://newspicks.com/news/1097999
③https://newspicks.com/news/1103171東芝とSamsungの比較ですが、読者に伝えたい3つのポイントで書かれている通り、全体的には東芝へのエールといった感じです。
Samsungの分析はおまけ程度でしたね。
3D NANDは東芝の発表後にSamsungも追随していて本当に競争が激しい。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150811/431740/
今のままでは規模が違いすぎて、東芝が技術力で相当に上回らないと、インテルを含めた大手に飲み込まれるのではないかと思います。
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