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2年後の広告収入は10億ドル?

これまで厳選されたブランドの広告しか受け入れてこなかった写真共有アプリ「インスタグラム」。このため「インスタで広告なんて見たことないけど?」というユーザーも多かった。そんな状況が今後は一変しそうだ。

インスタグラムは8月初め、広告API(ソフトウェアの機能や管理データを外部プログラムから呼び出すプログラム)を複数のパートナー企業に公開。これによりインスタグラムの広告枠を購入したり、「フェイスブック」や「ツイッター」と連動したキャンペーンを展開したりすることが容易になる。

これまでインスタグラムに広告を出すには、同社の営業担当者と直接交渉する必要があった。このため実際に広告を出せるのは、予算と時間の両方に余裕があるブランドに限られてきた。それが今後は、広告APIの公開を受けたパートナー企業を通じて、ほかのソーシャルメディアと合わせたクロスプロモーションが可能になる。

カギはフェイスブックのプロフィール情報

広告APIの公開は、インスタグラムが広告収入の拡大に向けて打ってきた一連の施策のひとつ。6月に広告APIの実験開始と、フェイスブックのすべてのターゲティングツールをインスタグラムの広告主に提供することを発表していた。

それまでインスタグラムのターゲティングの基本情報は、ユーザーの性別、年齢、居住国しかなかった。今後はフェイスブックのプロフィール情報などを活用して、より正確で、効果的なターゲティング広告を打つことが可能になるわけだ。

やはり6月、インスタグラムは広告に「今すぐ買う」ボタンなど、外部に誘導するリンクを取り入れた。さらに、1つの広告に複数の写真を入れられる「カルーセル広告」も導入している。

インスタグラムが巨大広告ビジネスに成長する、と、多くのアナリストはみている。市場調査会社のeマーケターは、インスタグラムの広告収入は今年5億9500万ドルに達し、2017年までにアメリカのモバイルディスプレイ広告収入で、グーグルとツイッターを抜くと予測している。

バンクオブアメリカ・メリルリンチは先月発表した調査報告で、インスタグラムの広告収入は2017年までに10億ドル、2020年には38億6000万ドルに増えるとみている。

フェイスブックとのクロスプロモーションも簡単に

今回選ばれたインスタグラムの広告APIのパートナーには、フートスイート・メディア、ケンシュー、ブランドネットワークス、セールスフォース・ドットコム、ユニファイド、ソーシャルコード、4C、ナニガンズ、アンプッシュといったフェイスブックのマーケティングパートナーが名を連ねている。今後パートナーはさらに増える見通しだ。

フートスイートは、同社が提供するソーシャルメディア管理ツールがインスタグラムと統合された重要性を強調する。「これによりフートスイートの顧客は、インスタグラムに広告を入れるタイミングを調整したり、インスタグラム・ユーザーのコメントに対処するなどのエンゲージメントを一括してフートスイートから行うとともに、フェイスブックやツイッターなどほかのソーシャルメディアの管理を統合することができる」

ブランドネットワークスのジェイミー・テッドフォードCEOは、広告主らはインスタグラムに広告を掲載するチャンスを「熱烈に待っている」と語る。

「経験豊富な『フェイスブック・マーケティング・パートナーズ』を参加させることで、インスタグラムは広告主がフェイスブックのターゲティングツールを使って、正しい場所とタイミングで正しいオーディエンスに広告を届けるのを可能にしつつある。……これは広告業界で最も期待されていた措置のひとつで、インスタグラムは今後も急激な成長を遂げるだろう」

インスタグラムの関係者は言う。

「広告APIによって、インスタグラムの広告枠購入はより簡単になるだろう。インスタグラムは今後数週間〜数カ月、『フェイスブック・マーケティング・パートナーズ』の経験や知識を活用しながら、広告APIに基づく活動を強化していく」

(執筆:LARA O’REILLY記者、翻訳:藤原朝子、写真:© bgwalker/iStock.com)

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