アメリカでの製造コストが中国と同レベルに減少、その理由とアメリカが持つ「強み」とは?
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注目のコメント
このレポートは示唆に富んでいる。ネスレのように世界的多国籍企業では、世界中に生産拠点を持つため、国別の製造コストや生産性を把握している。
日本企業の多くは、まだまだ労働コストの低い新興国に生産拠点を置こうとしている。BRICsの次はVISTAというふうに。ただ労働コストの低い新興国に生産拠点を移すモデルは古いだろう。新興国のインフレや労働コストの上昇スピードが速いことに加え、先進国のロボット化やIoT、AIのIT技術革新、さらにはエネルギー革新などによる著しい生産性の向上が見込まれる。
ネスレ日本も、グループ内で最も生産性の高いオペレーションを目指している。Hondaさんのコメントがとても助かる(ありがとうございます!)。自分も原文を読んで、一番の問題意識は規模が大きいが競争力が低下しつつある中流層を、「シェール革命」を使っていかに勃興させるかというところにある。どの先進国においても、規模が大きいが、一方でグローバル化が進み、物流・情報コストが下がる中で一番食われやすいこの層をどうするかというのは、自国外との競争に加えて、国内においても移民との競争につながり、今後ますます論点として大きくなると思う。
ただ、レポートの前提は「エネルギー価格が安くて競争力がある」という点。ここに関しては、シェールオイルに関しては下記を参照してほしいが、原油全体の中ではコスト競争力は高いとは言いにくい。シェールガスは同様のものを探したが見つけられなかった。
原油・ガスは、それ自体が発電や輸送用エネルギーとして競争力に影響してくるし、石油化学産業などにも影響する。税金などで最終負担価格は変わり、その観点でアメリカのエネルギーにコスト競争力はあるだろう。ただ、レポートのきっかけとなったシェールという観点、ソース自体のコスト競争力では、世界的に見て絶対的な競争力があると言えるほどではないと思う。
https://newspicks.com/news/770399