【野球留学校の実態・後編】「文武両道なんてあり得ない」
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人の「価値観」がさまざまあるのは当然なので、金沢監督のやり方にも賛否両論あるでしょう。ただし、金沢監督ほど「覚悟」を持って生きている人は、果たして世の中にどれほどいるのか。自分で決めた道だから、困難や周囲の批判を受け止めながら前進する。それが金沢監督の「覚悟」だと感じました。「すごかったですよ、バッシングが」と振り返っていますが、自分が盾となり、高校生たちと学校をゴールまで導いた。すごい生き様だと心を打たれました。
もちろん、周囲の大人がセーフティネットをつくってあげることは必要だし、それは僕も訴えていきます。ただし、覚悟を持って生きている人たちが、尊重されるような高校野球、そして社会になってほしいと願います。
「文武両道」「ベストミックス」「野球留学」、さまざまな解釈をできるので、いろいろな視点から考えていきましょう。「文武両道はあり得ない」という。確かに野球で生きていける学生はいいが、野球で生きていけなくなった時は辛い。何もしない学生学生多い中、何かに集中できたという自信は、将来生きてくると思う。
明秀学園日立高の金沢監督インタビュー後編。このシリーズの大坂桐蔭・西谷監督の記事と合わせて読むと、両者の違い・立ち位置が明確になって興味深い。
最後まで読了して、私が高校球児ならこの人の下で野球はやりたくねえわって思った。
西谷監督は高校野球は通過点、その先を見据えた指導をする。監督の信念を選手に押し付けるのではなく、一見弱点に見える選手各々の個性を伸ばす方向で粘り強く接する。もちろん勉強もさせる。阪神・藤浪は成績が優秀だったことでも知られている。
ところが、金沢監督は「文武両道なんてねえんだからな」というスタンス。高校野球の魅力は?と訊かれて「結局エゴイストなのかもわからないんですけれど、自分の指導するかたちが姿となって、かたちとなって表れるのが高校生だと思うんですよ。その後の子どもたちの人生にかなりの影響を与えやすいですしね」と、球児たちを金沢色に染め上げることの快感を臆面もなく答えている。だから、明秀学園日立高の球児たちは金沢監督いわく「自ら考えて、自ら行動して、自ら責任をとるのに欠けている子どもたちの集団」になってしまう。
責任を持たせた自主性こそ、ブレイクスルーを生み出す最大の源だと思うんだよなあ。金沢監督の教え子が結局、有名どころで巨人・坂本しかいないのは、最終目標を甲子園に設定するなど、そういう旧態然とした近視眼的な指導法に問題があるのでは? 翻って、大坂桐蔭高からメジャーでも通用しそうな名だたる打者、スターが続々生まれているのは、自主性を重んじる環境が用意されているからでは?
私が高校球児だったら、大坂桐蔭高に行きたいなあ。