[東京 28日 ロイター] - 東京エレクトロン<8035.T>は28日、2016年3月期の連結業績予想を下方修正したと発表した。低調なパソコン需要で、米インテル<INTC.O>が今期の設備投資計画を減額したのを背景に、同社の半導体製造装置の販売計画を引き下げた。

通期の売上高を前年比5.2%増の6450億円(従来予想は6750億円)、営業利益は同7.8%増の950億円(同1120億円)、当期純利益は同8.2%減の660億円(同790億円)にそれぞれ下方修正した。トムソン・ロイターの調査によると、アナリストの通期営業利益予想の平均は1180億円で、会社予想はこれを下回った。

通期予想の下方修正に伴って、年間の配当予想も1株あたり188円(従来予想222円/前年同期は143円)に引き下げた。配当性向50%の方針は維持する。

7月10日に中期経営計画を公表したばかりだが、東哲郎社長は決算説明会で「その時には(インテルなどの動きを)予想していなかった」と述べた。一方で、中期計画で公表した20年3月期の目標(売上高7200―9000億円、営業利益率20―25%)に変更はないと強調した。

一方で、スマートフォン(スマホ)やデータセンターに使われるNAND型フラッシュメモリーやDRAMの増産投資を背景に、アジア地域でメモリー用の半導体製造装置の販売は前倒し傾向にあり、4―9月期の業績予想は上方修正した。

河合利樹副社長は決算説明会で、3次元(3D)NANDの製造装置の受注が入ったことを明らかにした上で「年後半にかけて、さらに期待している」と述べた。

4―9月期の売上高予想は前年比15%増の3385億円(従来予想は3200億円)、営業利益予想は同77.7%増の535億円(同470億円)、当期純利益予想は84.8%増の370億円(同330億円)にそれぞれ引き上げた。

同日発表した15年4―6月期の連結業績は、売上高が前年比2.9%増の1557億円、営業利益が77.4%増の302億円、純利益が64.6%増の194億円。スマホやデータセンター用のメモリー需要が好調で半導体製造装置の販売が伸びるとともに販管費も圧縮した。

*内容を追加します。

(村井令二)