「原発活用」鮮明に=最大22%、再生エネは倍増−電源構成を正式決定・経産省
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本委員会を傍聴してきましたが、委員長を含め多くの委員の方が省エネ目標の実現(35%)に対して懐疑的な意見を述べられていました。
※省エネ目標が実現できないと、各電源にも拡大余地が残り、電源構成案自体の前提が損なわれます。
また、印象的だったのは東京理科大大学院の橘川先生の発言で、おおよそ以下のような点に言及されていました。
①原発の安全を謳うならば再稼働・運転延長ではなく、最新型の原発を導入すべき。そのための原発新設の議論を封印したことは大きな間違いだった。
②再稼働・運転延長では2030年20%の目標実現は難しい。
③原発15%・再生エネ30%が現実的な解だろう。
④今回のエネルギーミックスは、コスト低減を前提とした議論なのに、電源の約50%、一次エネルギーの約75%を占める化石燃料の議論を深めなかったことも問題。
⑤特に天然ガスの安定調達・定常的な依存度引き上げ(温室効果ガス削減の観点から)は、天然ガスをベースロードにすることになるため原発推進の観点から議論が避けられた感がある。
⑥本報告案には反対であり、速やかに委員を再選定して再議論・報告書の作り直しをすべき。
注目のコメント
記事以上にWatsonさんのコメントに価値がある(エネルギー・資源関連に興味ある方は絶対フォローしたほうがよいPickerです、いつもありがとうございます!)。
橘川先生の発言は、極めて現実的。政策は目的・意志・現実の摺合せだと思う。だからこそ、専門家には特に現実としてどういう状況なのか、何を論点とする必要があるかという点はどんどん専門家ならではのコメントをすることは価値が高いし、こういった方を議論に巻き込むことは、建設的な議論のために必須だと思う。
自分は現在消極的に原発再稼働賛成(個別原発ごとに寿命と構造を踏まえて、コストメリットがあるものだけ対策したうえで再稼働)。また長期では可能ならば脱原発を目指した方がいいと思っている。そういうスタンスの自分でも、この電源ミックスを前提とするなら、先生の発言は妥当性を感じるもの。注意する点は、2030年度の電力量をどの程度に見積もるかで、電源構成(ベストミックス)は違ったものになるということだ。
もし今後経済成長が進み、GDPも継続的に伸びてゆくことを前提にすれば、電力消費量も大きくなり、原発で需要をまかなう必要があるかもしれない。
しかし現実は、特に2011年の東電福島の事故以降省エネが進み、GDPが微増しているにも関わらず、電力消費量は減少している。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1504/22/news025.html
今後この傾向はさらに進むだろう。人口減が進めばなおさらだ。その場合、化石燃料や再生可能エネルギーの量を同じとすれば、原発分を少なくしても需要をまかなえる。原発は少なければ少ない方がよい。Watsonさんのコメントのように、前提が相当アグレッシブな省エネが前提。下記が資料と思うが、考えられうる限りの省エネ対策を積み上げるとある。
ポイントは需要側に義務や省エネインセンティブが与えられるかだと思う。
http://www.jcci.or.jp/news/trend-box/2015/0716223117.html