石油化学の再編事情。今後を決める3つのシナリオ
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注目のコメント
化学系記事は本来的にはもっとネタもあるし、書かれるべきニュースもかなり多いが人気はあまりない。が、何気なく日本の優良製造業の一つであり、今後国内製造は衰退が続くもののもっとフォーカスされて欲しい話題である。経済紙を標榜すらならばこういうオリジナル記事がもっと出てこなくてはならないと感じる。
もう少し踏み込んでスーパーエンプラとか電子材料関連まで踏み込んでくれたら楽しいのになあ、個人的には笑。
コンビナート関連の動きは「化学業界の話題」という神ブログにも詳しい。
http://blog.knak.jp
また最近の石化コンビナートと日本の経済に関しては経産省の下記レポートも参照されたし。
http://www.meti.go.jp/press/2014/11/20141107001/20141107001a.pdf
特にこの経産省レポートのP60に記載されている海外総合化学企業との利益率の差に関する話などはぜひとも焼き直しでもいいので記事にするとウケるんじゃないかなあ、なんて思っていたりする。
■収益率比較
BASF 14%
Dupon 15%
ダウケミカル 7%
三菱 3%
三井 0%
住友 2%
昭電 4%
あと政策投資銀行の下記レポートなどは原油からコンビナートの流れが図になっていてわかりやすい。
http://www.dbj.jp/pdf/investigate/mo_report/0000015845_file3.pdf
各社が強く統廃合進めようとしても案外と簡単に切り替えできない原材料はかなり多い。辿っていくととんでもない用途だった!というのは震災の時のBCP関連で思い知った方も多いはず。産業としては大きい化学業界。前回の石油元売りの続きのイメージで書きました。大手企業単体では海外生産などで対応を進めているが、中小の化学メーカーに与える影響を考えると、製油所・コンビナートの統合は対応が難しい問題です。
以前この記事に出てくる企業で開発の仕事をしていましたので、その観点からコメントします。
一口にエチレンといっても、開発サイドからすると「どこで作られたエチレンなのか」ということが非常に重要だったりします。理由は同じエチレンでも製造設備、製造プロセス、各種原材料が異なれば物性が異なるからです。
特に大くくりで"ファインケミカル"と言われる分野の製品開発では、原料のほんの少しの差が出来上がった製品の性能に大きな影響を与えてしまうため、製品開発や品質管理に関わる人間にとっては調達先の統廃合というのは極めてセンシティブな問題なのです。
設備の統廃合が進まない背景には、こうした化学メーカーの開発や製造の事情もあるということをお知り頂ければと思います。