東芝、監督・監査機能せず 不適切会計で第三者委が指摘へ
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注目のコメント
新日本有限責任監査法人の責任/損害賠償が仮に認定されたとすると、監査業界の規律はより高まると思います(但し、監査報酬はリスク・リターンで決まる部分もあるので、監査報酬は跳ね上がります。発行体にとって監査対応の負担が増えることも避けられないでしょう)。
一方、新日本有限責任監査法人の損失負担能力は限定的です。新日本有限責任監査法人の自己資本は150億円足らず、自己資本にパートナー達への退職給付引当金を加算し自己資本類似の金額を算出してもわずか450億円程度です。特別委員会の設置を発表した4/3以降、東芝ではざっと5000億円の時価総額が減少しました。大変荒い計算ですが、時価総額減少分の10%が新日本有限責任監査法人の責任/損害賠償金額とされたら、新日本有限責任監査法人は実質債務超過に陥り事業が立ち行かなくなる可能性があります。
【参考】新日本有限責任監査法人の財務諸表
http://www.shinnihon.or.jp/about-us/news-releases/2014/pdf/2014-09-08-shinnihon.pdf
もし新日本という監査業界の最大手の一つが倒れると、ただでさえ大手4社の業界で寡占化の濃度がさらに高まります。これは、会社や投資家にとって不幸な出来事ですので、責任の所在を明確にするという要請と、資本市場におけるContingencyを意識しながら今後の落とし所が探られるのだと思います今回の東芝の事件で驚きなのは、東芝が「委員会設置会社」であること。
委員会設置会社とは、指名委員会・監査委員会・報酬委員会の3つの委員会を設置している株式会社のことで、要するに経営者に対する監督の目が最も厳しいガバナンス体系です。
事実、東証1部には委員会設置会社が50社しか存在せず、東芝には4人もの社外取締役がいました。ガバナンス優良企業であったわけです。
コーポレートガバナンス・コード等の取り組みが虚しくなってきますね。
7月11日の日経新聞によると、今後東芝は、
①社外取締役>社内取締役になるよう人数を調整し、
②専門委員会を設置して、
③監査委員会の委員長に社外の人間を就任させる
等の対策を講じるようですが‥
【追記】
katoさん、コメントを曲解しておりました。監査法人は厳しく責任追及されるべきですが、一番罪深いのは会社です。
見せかけのガバナンスを導入した企業姿勢にも涙目です。