【解説】なぜ今?任天堂、パルワールド開発元を提訴…争点はあくまで「特許」公式声明の“言い分”に批判相次ぐ
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注目のコメント
なぜ今?というタイトルについて深堀してみます。
特許訴訟は提起自体にも非常に時間とお金がかかります。パッと思いつくだけでも以下のような工程が必要で、高度な専門知、現場サイドの協力、各セクションで必要な多大なるマンパワー、訴訟提起にかかる費用のいずれもが必要になります。
・任天堂が保有する莫大な数の特許の整理
・パルワールドのゲームシステムの分析
・任天堂保有特許の侵害の有無及び侵害成立の勝算検討
・損害額の算定
・訴状の起案、内部決裁
この工程をきちんと踏んだ上で提訴をするのであれば、「よし訴えよう!」と考えてすぐに訴えられるわけがなく、熟練の担当者の手によったとしても早くて数か月はかかると思われます。
任天堂は、株式会社ポケモン名義で、今年の1月25日時点で「ポケモンに関する知的財産権の侵害行為に対しては、調査を行った上で、適切な対応を取っていく所存です。」という声明を出していますが(https://corporate.pokemon.co.jp/media/news/detail/335.html)、おそらくこの時点から着々と準備をしていたのでしょう。昨日はずっとTwitterのタイムラインで話題になってましたね。
記事は非常に良いまとめになっていると思います。
本件に関しては、どの立場で見るかによって全然異なるので、どうにもコメントが難しいところですが、パルワールド自体はもはや『インディーゲームです』というのさすがに厳しいでしょう。
そりゃ任天堂などの超大手に比べると小さいでしょうが、開発会社としてはそこそこの規模ですし、個人開発とは全く異なったものです。
任天堂としても、本当に個人が作って、身内で楽しんだりする分にはこのような訴訟はしなかったでしょうが、そうではなくビジネスにしている以上、インディーゲームの体を装うのは厳しいと思います。
今回非難が出ているのも、パルワールド開発側の態度と品性に対してであり、周りに対してもう少し配慮ができればこうはなってなかっただろうなと思います。
訴えられている特許部分に関しては、言い逃れが難しいところも多く、パルワールド側の法務チェックもデザイン周りにしか対応できてないでしょうから、なかなかハードなことになるでしょうね。
本件がどこまでいくのか、注視していきましょう。任天堂はゲーム業界全体の発展のために特許周りに関しては非常に寛容な対応をしている印象にあります。自社特許もライセンス費をとらなかったり、ほぼパクリみたいなゲームも一から自分たちで作るならいいよって許したりすることもあるのだとか。
今回逆鱗に触れたのは、「パクったIPや技術を用いてライセンスビジネスを展開する(他社から金を取る)」ところまでいったからだろうとのことです👇
参照
https://x.com/8ARABIN8/status/1836584660006236595