米FRB 0.5%の利下げ決定 利下げは4年半ぶり
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FOMCのドットチャートは、今回の利下げを含め2024年内に1%の、来年2025年内も1%の、それぞれ利下げを見込んでいます。合計2%です。
一方、CMEのFedWatchツールなどにみる2025年末の市場予想は、今回FOMC前は2.5%もの大幅利下げを見込んでいましたが、 FOMCのドットチャートに合わせてか、少し上方修正されました。
これを背景に、米国2年債利回りが3.6%超まで小幅上昇しました。この結果、円相場に影響を与える2年債の日米金利差がわずかに拡大したので、円安になったのでしょう。
インフレ目標2%を達成していないにもかかわらず、FOMCが今回先行きの雇用悪化不安だけを理由にして、0.5%もの大幅な利下げをしたのは、全く理解できません。
しかし、事前にWSJとFTがリーク報道(?、観測報道)をしていたお蔭か、急激な円高進行は防げた格好となり、ホッとしています。声明ではインフレの落ち着きに確信が強まったとし、雇用に焦点を移す姿勢が示されていました。
今回はFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)も公表されていましたが、中央値からは年内あと計0.50%ポイント、来年は計1.00%ポイントの利下げを見込んでおり、これも概ね短期金融市場の織り込み通り。
発表直後は米株式市場もポジティブな反応を見せていましたが、その後のパウエル議長の会見では、インフレに勝利宣言をする状況ではなく利下げを急がない姿勢を強調したことから、米株式市場は上値を抑えられました。
大幅利下げについては、パウエル議長も会見で言及していましたが、利上げ開始では批判も出ていましたが、今回の利下げサイクルでビハインド・ザ・カーブに陥りたくはないとのFRBの意志の表れようです。
本日の米株式市場は下落したものの、ソフトランディングへの期待に変化はない模様。アトランタ連銀のGDPNowは現在2.9%とめちゃ強い。そんな中での0.5%引き下げは、少し前ならサプライズだったでしょう。
とはいえ、2000年以降の3回の米利下げ局面のうち、2回は0.5%以上から開始(ITバブル期の01年、サブプライムの07年)。雇用や株価が不安定な局面では、充分理解できる対応。
問題は、これから数ヶ月で市場に何が飛び出すか…