【ディスコ】高収益の秘密は「超・管理会計」にあり
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注目のコメント
あなたが今やっている仕事は、どれくらいの「価値」を生んでいますか?
そう聞かれると、思わずどきっとします。
会社員として働いていると、自分が生む利益とコストの感覚が希薄になりがち。それを個人レベルまで落とし込んでいるのが、半導体装置メーカーのディスコです。
自分の業務一つ一つに値段をつけて、やりたい仕事を請け負う。
会社のパソコンや会議室を使うのにも支払いが発生する。
なかなか面倒な作業に思えますが、驚くほど社内に浸透しています。
しかも、うまく稼げば年収が数千万円単位でアップするそう。
個人レベルで収支を管理すると、会社の稼ぐ力は強くなるのか。そんな壮大な実験を10年以上かけてやってきたのがディスコです。その結果は、ぜひ記事をお読みください。「基礎研究や新機能の開発、後輩の育成などは、すぐにはお金にならないため、ウィルを稼ぐのが相対的に難しい」これは結構課題のように見えます。おそらくこうした点に何らかの配慮があるはずで、それが他社がまねできない1つの理由ではないかと考えます。
社内に資本市場がある、という形。なので、ニーズに対してお金(Will)で解決できる状態になっており、稼ぐことも使うこともできる。社員それぞれが資源配分を付加価値を意識しながら進める仕組みになっている。
一方で「ディスコをまねて社内に導入できた企業は他にない」というのがキー。
なぜできたかというと、関家氏がトップだから。一見すると極めて資本主義的でドライな経営者に見えるかもしれないが、全く違うと自分は捉えている。昨日もコメントしたが、元々エンジニアで、技術の話をされているときが一番活き活きされていると感じる。だから「社長が調整をかけるまでもなく、息の長い研究開発に取り組む者は相当数いるという。」状態も出来ていると思う。
95年に取締役、2009年に社長に就任。95年からDISCO VALUESを策定しはじめ(ちなみに300近い項目がある)、そこが前提となったうえでWillを導入している。この過程を全てリードして実装の具体まで含めて「エンジニアリング」されたと捉えている。エンジニアとして原体験があり、創業家であるから早くから経営に関わり、それゆえトップダウンで導入やその徹底を指示できる環境だったことに加え、実際の徹底を執念を持ってされたから。
だから、他の創業家企業であればできるかというと、環境として似ていてもできないと、自分は思っている。
興味を持った方は、是非下記のみさき投資のニューズレターも見ていただきたい。
「統治」についての深堀があり「原則治」「信頼治」「経済治」「オピニオン治」という4つがディスコの経営のバックボーンになっていることが窺える。
また『私は市場経済化という言葉が持つニュアンスが好きではありません』という言及がある。ここらへんがWill会計による社内資本市場がありつつも、経済治以外もディスコの経営にあり、またすぐに儲からないことを手掛ける社員も含めて(合う・合わないはすごくあるだろうが)、企業として活発化している背景にあると思う。
みさきニューズレター
https://www.misaki-capital.com/Documents/newsletter/Misaki_Newsletter_Vol.6.pdf