米、銀行規制強化案を緩和 FRB、大手行の負担半減
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BIS(国際決済銀行)が定めるバーゼル規制が国際的に活動する銀行に求める比率は最低8%ですから19%は極端に高く、9%でも高めです。もともと過剰反応気味で米銀の貸し出し余力と競争力を弱めかねない側面がありますから、米国の景気に幾分陰りが見え始めたいま、見直しに動くのは至極当然であるような気がします。
改定案では、大手行の資本増強幅が19%から9%に引き下げられたということです。したがって、「かなり大幅」な資本増強案が「大幅」な資本増強案に修正された、ということに過ぎません。
昨春に相次いだ米地銀の倒産では、固定利付き債券の評価損が、巨額の預金流出を招きました。この反省を踏まえて、米国の金融監督当局が昨秋に提示した自己資本規制の強化案は、債券の評価損を自己資本比率の計算に反映させるようにしました。この一番大事なポイントは、今回の改定案でも、大手行、大手以外の銀行の両方において維持され、数%の自己資本増強が必要と見込まれています。ご注意ください。
なお、バーFRB副議長は、この講演の中で、今回改定された以外の部分を含め、自己資本規制の強化案の全体につき市中協議は続いていると強調しています。いまの時点でこれで得策かはよくわかりませんね。もともと地銀ショックから端を発しており、クレジット残高も増えています。利下げの影響を見極めてからでも遅くはないとは思いますが。もちろんウォールストリートは歓迎でしょう