急成長!海外フェムテックのユニコーン企業における共通点と勝ち筋
企業価値の評価額が10億ドル(1ドル140円換算で1,400億円)を超え、設立10年以内の非上場のベンチャー企業を「ユニコーン企業」という。
その希少性と成長可能性から、投資家から大きな注目を集めており、伝説上の生き物であるユニコーンになぞられて名付けられた。
2022年にTBSで放送された永野芽郁さん主演「ユニコーンに乗って」は、まさにユニコーン企業を目指すCEOが主人公のドラマだ。
そこで今回は、フェムテック市場の中でも注目を集めるユニコーン企業を紹介する。
1.Kindbody(カインドボディ)🇺🇸
さまざまなカップルの妊活をサポートするハイブリット統合型サービスを展開している。
2018年にニューヨークで、AMH検査(妊よう力を図るホルモン検査)を主軸にした医療サービス会社として設立され、その後、不妊治療ブティックの運営を開始。
現在は、対面・オンラインを融合し、ホルモン検査や遺伝子検査、妊活相談などを提供している。
おしゃれなポップアップトラックでのウォークイン形式によるホルモン検査など、身近に検査やカウンセリングを受けられる場をつくることで、特に若い世代へのアプローチに成功した。
近年は、妊活に関連するさまざまな企業を買収し、企業の福利厚生にも力を入れている。米国で最も多くに従業員を雇用しているウォルマートも、同社の福利厚生サービスを導入している。
2.Maven Clinic(メイブン・クリニック)🇺🇸
従業員とその家族のための福利厚生プラットフォームを展開している。
2014年にニューヨークで創業され、妊活・出産・小児科・更年期など、女性とその家族に関する包括的な福利厚生サービスを提供。
ユーザーは、オンラインアプリを通じて、医療や育児のケアプランに関し、24時間いつでも相談することができる。マイクロソフトやロレアルなど、大手企業で福利厚生として導入されている。
産婦人科医以外にも、栄養士や精神科医など幅広い専門家が在籍しており、高額医療費に対する経済的支援を実施している。
幅広い年齢層の女性およびその家族のためのライフスタイルを提案し、長期的なブランディングに成功しているのが特徴となっている。
3.Flo Health(フローヘルス)🇬🇧
今年7月に、評価額が10億ドルを超えたことを発表し、ユニコーン企業となった同社。
AIを用いた月経管理アプリだが、生理周期を記録するのはもちろん、妊活中や妊婦向けのサポートも実施している。
記録された情報をパートナーとシェアすることも可能であり、さらに医療専門家と連携したり、正しい知識を取得できる記事も掲載されている。
年齢を重ねて、ライフステージが変わっても1つのアプリを使い続けられる点が、ユーザーに指示されている要因ではないだろうか。
4.まとめ
フェムテック市場のユニコーン企業を3社紹介したが、共通点として「幅広い年齢層に向けた包括的なアプローチ」「従来の医療サービスよりも手軽にアクセス可能」「専門家との連携」が挙げられる。
筆者は、さまざまなヘルスケアアプリを試してきたが、ライフステージやデバイスなどが変わると、そこでヘルスケアデータが途切れてしまい、個々のアプリでそれぞれのバイタルデータを管理している状態だ。(正直、非常にめんどくさい)
しかし、今回紹介した3社は、ひとつの健康課題だけでなく、女性のライフステージ全般に渡るケアを提供できていることが、成功要因なのかもしれない。
5.【イベント登壇①】9/30(月)19時〜渋谷、Femtech国内最新動向アップデート
Femtech Community Japanでは、フェムテック領域における最新の研究成果や業界のトレンド、大企業とスタートアップ企業の取り組み、政府・自治体の施策など、多角的な視点から深掘りするイベントを開催します。当日会場でお会いしましょう!
・申し込みはコチラ
6.【イベント登壇②】10/18(金)12時〜、14時〜東京ビックサイト、Fem+カンファレンス
女性の健康と活躍を支援する展示会「Fem+」に登壇します。参加は無料ですので、フェムテックや更年期に興味のある方はぜひお申し込みください。会場でお会いしましょう!
・展示会の入場チケットはコチラ
・カンファレンスの申込はコチラ (展示会の入場チケットが必要です)
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【トップ画像】GettyImagesをもとに筆者作成
7.筆者紹介
コメント
注目のコメント
FemTech の基盤のDigitalHealthのSUはイスラエルでは、1000は超える。
そもそも、女性とか男性とか、言わないのがこの国の特徴で、SUのCEOは、さすがに男性の比率は多いが、グローバル企業のR&Dのトップが5名並んでも、2~3名が女性なのがこの国の特徴である。
Femtechのアクセラも、カンファレンスもあるし●●techの1つと同様に存在し、SUの数も100は超えている。
フェムテック企業の数が世界で4番目に多く、この部門への世界的な投資額では米国に次ぐ2位という数値もある。
主な分野は5つあり、妊娠、不妊治療、出産ソリューションが43%、健康、ウェルネス、ライフスタイルが22%、骨盤の健康が12%、腫瘍学が12%、非腫瘍学診断が11%であると、、、(現地機関より)日本にもフェムテックスタートアップが増えていますが、海外の事例は参考になります。
年齢や、ライフステージによって、身体だけでなくその人の価値観が変わることもあるからこそ、一つのアプリでデータが見れるのはいいですね。
また、自分の周りの仕事が好きな女性を見ていると、多忙がゆえにどうしても自分の身体のことを後回しにしてしまう人も多いため、福利厚生で提供されることはすごく価値があると思います。今年7月、イギリスの月経周期アプリを展開するFlo Healthが評価額が10億ドルを超え、ヨーロッパのフェムテック企業として初のユニコーン企業となり、話題になりました。
そこで今回は、フェムテック市場のユニコーン企業を紹介し、それらの企業の共通点を考察してみました。