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米利下げ幅0.25ポイントで十分か、判断迫られるFRB-議論白熱化へ

Bloomberg
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  • 辛坊 正記
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    (株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)

    バイデン政権の景気刺激策が過度のインフレを起こす可能性があると指摘したサマーズ氏等の警鐘をインフレは一時的として一蹴して対応が遅れたFRB。金融政策変更の効果は半年から1年程度遅れて出るところが厄介ですが、今度こそ対応が遅れたと言われたくはないでしょう。

     しかし、かなり収まったとはいえインフレ率が目標を超えて高止まりする中で雇用の弱さを示す指標が出始めて、それでもなお消費はそれなりに強い複雑さ。しかもFRBは、1970年代から80年代はじめにかけて、インフレが収まりかけて景気が弱さを見せ始めるたび利下げを急いでインフレを再燃させることを繰り返し、遂にはリセッション覚悟の強烈な利上げを余儀なくされた経験をしています。

     0.25%の引き下げに留めて景気が冷えれば対応が遅れたと非難されるでしょうし、0.5%引き下げてインフレ懸念が再燃したらそれはそれで問題です。どちらが良いか、確信をもって答えられる人なぞよほど自信過剰でない限りいないんじゃないのかな・・・ 0.5%に一票いれたい気持ちはありますが、さて、難しい舵取りを進めるパウエル議長はどうするか (@@。


  • 木下 智博
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    追手門学院大学 経済学部 教授 兼 経営・経済研究科 教授

    FRBが、景気後退や経済・金融危機がないのに利下げした前例は、今世紀にはなく、1998年9月の0.25%利下げにまでさかのぼります。目的は、アジア通貨危機など海外経済が米国に悪影響を与えることを予防するものでした。その後、10月、11月にも0.25%引き下げましたので、3回連続の利下げとなりました。
    ところが、翌年1999年6月には、0.25%の利上げに転じています。1998年後半の連続利下げの効果が不必要と判断されたからかもしれません。この時期は、現在とは異なり、労働生産性の伸びがインフレ率を低下させるという「ニューエコノミー」論が盛んな時代でした。
    さて、今回はどうなるでしょう。米国のマーケットエコノミストは、しきりにサームルールを持ち出していますが、その割には、古いことを都合よく忘れてしまっているようにも見えます。


  • 内田 稔
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    高千穂大学 教授・国際金融論

    雇用統計の平均時給の伸びは前月比、前年比とも先月の実績、予想とも上回りました。個人消費支出物価指数のコアの伸びは6月の2.58%から7月の2.62%まで0.04%と僅かですが伸びが拡大しました。消費関連の指標は悪くありません。ハイイールド社債のETFは23年来の高値圏にあるなど信用不安も顕在化していません。主要株価指数もハイテク銘柄を除けば概ね底堅く推移しています。ブラックアウト期間入りの直前の講演でウォラー理事はオープンマインドとして柔軟に対応する姿勢を見せましたが、明確に50bps利下げを示唆するほどのトーンではありませんでした。NY地区連銀のウィリアムズ総裁もやはり50を織り込ませることはありませんでした。総合的にみて25bpの利上げで様子を見る可能性の方が高いように見受けられます。


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