米雇用統計、8月の非農業部門雇用者数は14.2万人増-失業率4.2%
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雇用者の伸びが予想を下回ったことだけを以て、市場は利下げに前のめりとなり、金利低下、ドル安の反応をみせました。ただ、失業率は低下し、賃金の伸びは拡大しており、寧ろ9月の利下げ幅が50bpsではなく、25bpsの可能性を印象付ける結果です。これが正しければ明朝にかけてドル円は持ち直し、金利も少し上昇して週を跨ぐと思われます。一方、もう一つの解釈は景気後退とインフレが共存するスタグフレーションの可能性です。最近の米経済指標は雇用関連の悪化に目を奪われがちですが、個人消費関連の指標は必ずしも大幅な利下げを示唆するものではない点に要注意です。
評価が難しいところですが、少なくとも4-6月のGDPは年率3.0%増と堅調です。雇用に陰りが見えますが、「減速しつつも底堅い」というのが今の評価になりましょうか。利下げによる景気下支えは、効果が発現するまでラグがありますので、少し先の見通しに織り込むのかと思います。
雇用者数は、6月と7月の数字が合わせて8万人余りも下方修正されており、これに8月分の市場予想比の下振れ分を加えると、事前予想を10万人余りも下回った計算になります。先日も、過去に遡っての大幅なベンチマーク修正があったばかりですが、米国労働統計局の事業所調査の信頼性に疑問符が付きます。
一方、家計調査ベースの失業率や、平均時給の数字は、労働需給の逼迫が緩和されたとは言え、まだ若干のタイト感が残っていることを示しています。
FRBは9月に「お約束」の0.25%利下げをした後、しばらく様子を見て、12月にも利下げするかどうかはデータ次第となるのではないでしょうか。年内に合計1%の利下げまでは必要なさそうに思います。