台風7号のピークはこれから とはいえ…
台風7号は950hPaまで発達し、非常に強い台風となりました。
しかしながら、朝の外の様子を見て「思ったより荒れてない」と思った方も多いかもしれません。
その理由はいくつかあると思いますので、列挙してみたいと思います。
1. 台風のピークはこれから
台風は今まだ八丈島付近にあり、これから北進してきます。このため、ピークは今日の昼~夜にかけて。まだ油断は禁物です。
台風の外側の雲(アウターバンド)は強い雨を降らせるポテンシャルを持っていますし、それに強風が加われば、傘が役に立たないような降り方になると思います。
2. 発達してはいるものの比較的コンパクト
台風の中心気圧は6時現在950hPa。等圧線を描いてみると、中心付近には等圧線が集中しているものの、少し離れるとそうではないことがわかります。
こうなると、台風の中心が少しズレるだけで、影響が大きく変わります。
中心付近に強い風の部分が集中するコンパクトな台風なのか、
広い範囲に暴風を吹かせる大きな台風なのか。
風だけでなく、強い雨雲の分布にも、各々の台風に特徴があり、台風は十人十色と言われます。
台風の十人十色な細かな特徴が、どうしても、解像度の高いモデルでしか予測できないため、数日前~半日前くらいにならないと、精度の高い予測ができない…
はがゆい現状です。
ちなみに、数日前に例として挙げられていた2019年の台風15号は今回の台風よりも更にコンパクト、かつ上陸時の中心気圧は960hPaでしたが、東京湾を通るルートになったため、進行方向右側の房総半島で甚大な被害となりました。
3. 予防的な措置が取られた
今回は東海道新幹線の計画運休が、台風最接近の2日前に発表されました。
この動きを受けて「すごい台風が来るらしい」と思った方もいると思います。
4. コースが次第に東寄りに変わっていった
これは皆様お感じのことと思います。
14(水)の時点では、東寄りのコースを予測しているモデルや気象会社が多い中で、日本のモデルはまだ上陸を予想しており、読めないと記事をあげていました。
それから1日予報の推移を見守っていましたが、15(木)朝の時点で、東寄りのコースを予測するモデルがほとんどとなりました。
東海道新幹線の運休については、2日前に決定・発表がなされました。
運休前日の本数増発とセットで考えるために、2日前の決定がマストだったのかもしれませんが、今回の台風のコース(東にずれるかも)を考えると、少し早計だったような気もしてしまいます。結果論で言えることではありますが…。
気象予報士・防災士 千種ゆり子
コメント
注目のコメント
台風7号は950hPaまで発達し、非常に強い台風となりました。
しかしながら、朝の外の様子を見て「思ったより荒れてない」と思った方も多いかもしれません。
その理由はいくつかあると思いますので、列挙してみたいと思います。結果論では、なんでも言えますよね。
東海道新幹線の運休を早めに決めてくれたので、大半の人々は早めの判断が出来ました。
これを早計と言うのは簡単ですが、お盆期間中はJRも駅員の配置が大変ですから、今評論するのはあまり感心しません。
成田空港を発着する国際線は、午後便は大半が欠航です。
飛行機は雨よりも風の影響を受けます。
→しかも飛び立つと直ぐに風が強い海上です
欠航する便でも、明日の午前中に飛ぶことが決まっている便もあります。
台風の速度が予想以上にノロノロで、関係者は気を揉んでいるでしょう。
いずれにしろ、大丈夫かどうかギリギリまで見てから判断するというのは、旅行での移動者が多いお盆では、一歩間違えれば、駅が人で溢れます。
今回、それがなかったのが幸いだと思っています。中心気圧が午後には940hPaと。非常に強いです。午前からキキクルの洪水情報を見ていますが、埼玉、千葉、東京の一部で警戒レベルの河川が増えています。夜にかけて注意が必要です。