「活動自体が犯罪」「こんな娘に育って親がかわいそう」SNSで強烈なバッシングを受けながらも、医大生が実名顔出しでHPVワクチンの情報発信をする理由
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私も個人的にお話したこともあり、活動を応援している身ですが、ここではフラットに情報をお伝えできればと思います。
まず子宮頸がんの90%以上が(ワクチンで感染を予防可能な)HPVによるもので、同時に子宮頸がん以外も含めた全がんの5%近くがHPVが原因であることがわかっています。
このHPVは主に性交渉により感染します。感染のリスクは性交渉未経験ならほぼ0ですが、数人で飽和する、つまり性交渉の相手が増えれば増えるほど感染しやすくなるというものではなく、数度経験すれば誰しもが感染するという性質のものです。
そして感染後長い時間をかけてがんとなっていきますが、感染=発がんではなく、なる人とならない人がいます。
このため
①感染を予防するワクチン
②定期検診による早期発見・治療
の2つで対策されます。
以前には様々な副反応が見られることが問題視され、積極的に接種をお勧めしていない時期がありましたが、2021年11月に安全性は十分であるとして勧奨再開されました。2025年3月までキャッチアップ接種といい、この期間に打てなかった方への無償接種が行われています。
このようにHPVワクチンには科学的根拠が存在し、HPV感染予防、そして子宮頸がんを始めとしたHPV関連疾患の予防効果が存在することは認められています。
しかし科学に基づく選択をするのは一つの選択肢に過ぎず、例えば信条・宗教に基づく主張・行動による選択肢を自ら取ることは何ら制限されることではありません。
しかしこれを他人の意思に反して強要すること、そして主張する相手に対して建設的な批判ではなく誹謗中傷を行うことは決して許されません。題名や記事にあるような他者からのバッシングは、どう考えても誹謗中傷であり、特に人格攻撃といえるものが放置されてはなりません。
彼女が大事にしているのは「納得感」。しっかり情報を伝え、不安なく接種してほしいという願いだからこそ、「打ちなさい」ではなく「自分で考えて決めましょう」と訴え続けています。決して反対派を非難・誹謗中傷するようなことはしていません。
「私はあなたの意見には反対だ。だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る。」
フランスの哲学者の言葉とされますが、どんな主張をするにも、「相手の権利を侵害しないこと」は意識したいものです。子宮頚がんは若い女性を中心に罹患し、年間約2800人が無くなっている社会的インパクトの大きい疾患です。HPVワクチンを接種することでがんの発症を予防できることから、先進国のほとんどで接種が当たり前に行われています。日本は一時的に積極的な接種勧奨が中止になっていたことから、根拠に基づかない医療政策を行っていると、諸外国から批判されてきました。
記事に登場する中島さんはHPVワクチン接種を逃した世代にあたります。この世代の方は、本来であれば予防できるはずのがんが予防できなくなってしまった「被害者」とも言えます。この当事者の方々が声を上げて、正しい情報発信をすることは大きな価値があると思います。> 『傷ついたことはあなたの財産だよ。その繊細さは人に寄り添うことができる強みだと思うから、その繊細さを忘れずに活動してほしい』
こんな素敵な言葉をかけてくれる先輩がいることがとてつもない財産。
こういう考え方と言葉をかけられる人たちが周りにいるということが素晴らしい。
しかも学生時代にこんな考え方ができる人なんて多くはない。
活動が今後どうなろうとも、きっと素晴らしい人生になるでしょう。