VIX指数の記録的上昇、サマーズ氏がSECや取引所に調査促す
AI要約
- 1ローレンス・サマーズ元財務長官が、VIX指数の急上昇についてSECと取引所に調査を促したとのこと
- 25日にVIXが急上昇し、一時65を超えた背景には流動性不足やボラティリティ戦略の失敗があると指摘されている
- 3VIXは広く注目される指標であり、算出方法や流動性に関する問題は規制当局によって点検されるべきとのこと
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注目のコメント
これは、さすがにサマーズ教授らしい指摘。
VIX指数は、S&P 500を対象としたオプション取引のインプライド・ボラティリティを元に算出し、1993年からCBOEが公表しているボラティリティ指数。当然、そこには指数算出のアルゴリズムがあり、過去にその改訂(2003年)も行われています。
その後も、VIX指数の計算に使われるS&P 500のオプションには取引の少ない物が含まれていて、それを使用することでVIX指数を操作することが可能であり、その対象となっているS&P 500のオプションだけ不自然に取引が多いというアカデミックな指摘もあり、作為的な不正操作が行われているという告発が米証券取引委員会に対して行われた事案もある。
それらを踏まえたサマーズ教授(ハーバード大)としてのクエスチョンだと考えるべき。
指数とか統計は、平時においてはその中味まで覗き込む人はいないが、それゆえにおかしなことが起きても気づかれないものでもある。
直近でも、指標としてよく使われたLIBOR(ロンドン・インターバンク・オファードレート)が作為的に操作されて国際問題になった事案、日本でもGDP統計に不備があった事案などがある。
こういうものを指摘し、精査するのもアカデミズムの重要な役割であり、それにつながる問題提起をサマーズ教授は「元財務長官」としてというより「経済学者」(彼は、28才でハーバード大の教授になった極めて優秀な経済学者)としてしていると、私は受け止めました。なるほど、相場操縦の疑いがあるということですね。言われてみれば合点がいきます。商いが薄いVIXにはフラッシュクラッシュはないでしょうからね。