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【直言】「やりたいことがわからない」子どもを、AIが救う

NewsPicks編集部
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  • 塩崎 悠輝
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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    「やりたいこと」についてAIに指示してもらう、というのは、20世紀の若者が共産党に入党して、党のマニュアルに沿った指示を受けていたのと何が違うのでしょうか。

    実際、現在でさえ、中国とか多くの国では、共産党とかその分派の何とか派、ナチスや宗教団体の一員になることで、「やりたいこと」とその説明、自分の担うべき役割を与えてもらいます。
     こういう巨大組織が便利なのは、「やりたいこと」に必要な世界観、価値観もパッケージで与えてくれることです。
     そして、巨大組織には社会の問題を解決する力があります(あるかのように見せている)。
     マニュアルに沿って与えられる役割は、選挙だったり、有機農業だったり、自爆だったりするかもしれませんが、とにかく「これが自分のやりたいこと」というのをお膳立てしてくれます。
     SDGsも、モデルとしては、8割方はこれでしょう。

    近代的個人でも、「やりたいこと」というのは、巨大組織のお膳立てなしにはほとんどが不可能だったように見えます。
     AIに指示してもらう、というのは、それを疑似的に体験するでしょう。
     100年前なら、親の家業を継ぐ、とか、ムラの決まりに従う、で済んでいたのですが。
     焼津などだと、戦前は、生まれた時点で、この子はこの網元の船に乗る、と決められていたそうです。

    自分で自分のやりたいことを決める、というのは過酷な生き方で、吉田松陰とかマルコムXのように、まず包括的な教養を身につけて、世界に対する行動方針を決めていかねばなりません。
     学校教育だけではまず無理です。行動力も必要です。
     当たり前ですが、AIに決めてもらうようなインスタントなものでも無理で、巨大組織に決めてもらった方は、まだ合理的です。
     包括的な教養を身につけられる人間を増やすのが理想的ですが、今の過渡期と混迷期を経て、巨大組織にやることを決めてもらう時代になるでしょう。


  • 佐々木 励
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    ELYZA Product Manager

    心理学では、「やりたい=モチベーション」が先ではなく、行動が先で、その結果として、モチベーションが生まれるそう。AIが行動を促し、その結果、人間がモチベーションを得るというのは、とても自然なこと。

    そして、「やりたい」を育てるには、「思考」をAIに任せて、AIが提示する選択肢から「意思決定」して、行動していけば、自ずと「意思=やりたい」は育ちます。

    教育は、答えを教えるものから、意思決定を学ばせることにシフトすべき。

    > やりたいことがある人にとってAIは武器になりますが、やりたいことがない人は仕事を奪われる可能性がある。
    > AIの提案に基づいて、意思決定のプロセスをたどっていく体験自体が重要。その選ぶという行為にこそ、子どもの個性が表れる。


  • 比屋根 一雄
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    三菱総合研究所 執行役員兼研究理事 生成AIラボセンター長

    「AIとは「体験」を拡張してくれるもの」

    AIは最高の独学のパートナーと言ってきましたが、この考えは気付きませんでした。

    確かに「調べる」ハードルを下げることで、興味の幅が広がりそうですね。「表現する」がゴールと考えれば、そこに至るステップはAIで簡略化しても良いのかもしれません。


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