Caroline Valetkevitch
[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米国株式市場は急反発して取引を終えた。労働省発表の週間新規失業保険申請件数が予想以上に減少し、労働市場の急速な冷え込みを巡る懸念が和らいだことで、主要3指数がそろって大きく上昇した。
S&P総合500種の主要セクターは全てが上昇。情報技術と通信サービスが上げをけん引した。小型株で構成するラッセル2000指数も2.4%高となった。
個別銘柄では製薬大手イーライリリーが9.5%高と大きく上昇。通期利益見通しを引き上げたほか、肥満症治療薬「ゼップバウンド(一般名チルゼパチド)」の売上高が四半期で初めて10億ドルを超えた。
8月3日までの1週間の新規失業保険申請件数は前週比1万7000件減の23万3000件と約11カ月ぶりの大幅な減少となった。エコノミスト予想は24万件だった。
マーフィー・アンド・シルベストのシニアウェルスアドバイザー兼市場ストラテジスト、ポール・ノルテ氏は「労働市場は引き続き問題ないとみている。現時点での景気後退懸念はおそらく少し誇張されている」と語った。
米株市場は先週発表された7月の雇用統計が軟調となったことを受け、景気後退懸念から急落していた。キャリートレードの巻き戻しも下落の要因と指摘されている。
投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は8日、低下した。
リトル・ハーバー・アドバイザーズのチーフ市場ストラテジスト兼ポートフォリオマネジャー、デビッド・ラングレン氏は「いったんボラティリティーが高まると、落ち着くまでにしばらく時間がかかる」と指摘。
また「大幅に上昇したことは必ずしも底打ちや一直線で上昇することを意味するわけではない」とした上で、「3カ月や6カ月先には平均以上のリターンをもたらす傾向が非常に高い」と語った。
第2・四半期決算シーズンは終盤を迎えている。
スポーツ用品小売り大手アンダーアーマーは19.2%急伸。四半期決算が赤字予想に反して黒字となった。在庫削減や販売促進策が奏功した。
米取引所の合算出来高は119億8000万株。直近20営業日の平均は126億株。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.59対1の比率で上回った。ナスダックでも2.76対1で値上がり銘柄が多かった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 39446.49 +683.04 +1.76 38940.38 39508.40 38922.79
前営業日終値 38763.45
ナスダック総合 16660.02 +464.22 +2.87 16408.27 16694.25 16262.93
前営業日終値 16195.81
S&P総合500種 5319.31 +119.81 +2.30 5252.57 5328.03 5233.85
前営業日終値 5199.50
ダウ輸送株20種 15435.17 +255.19 +1.68
ダウ公共株15種 996.58 -3.98 -0.40
フィラデルフィア半導体 4730.01 +303.74 +6.86
VIX指数 23.79 -4.06 -14.58
S&P一般消費財 1394.02 +29.11 +2.13
S&P素材 558.63 +8.68 +1.58
S&P工業 1051.05 +23.59 +2.30
S&P主要消費財 846.66 +7.45 +0.89
S&P金融 701.28 +11.20 +1.62
S&P不動産 260.96 +2.30 +0.89
S&Pエネルギー 684.46 +13.90 +2.07
S&Pヘルスケア 1738.44 +38.49 +2.26
S&P通信サービス 293.64 +6.92 +2.41
S&P情報技術 3989.58 +127.66 +3.31
S&P公益事業 372.49 +0.57 +0.15
NYSE出来高 10.26億株
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 35680 + 900 大阪比
シカゴ日経先物9月限 円建て 35575 + 795 大阪比