(ブルームバーグ): 米国の富裕層がアイホップ(IHOP)やアップルビーズといったチェーンのレストランを頻繁に訪れ、パンケーキやチキンウィングなど安価なメニューを楽しんでいる。
両チェーンの親会社であるダイン・ブランズ・グローバルのジョン・ペイトン最高経営責任者(CEO)は7日のインタビューで、ここ数四半期は低所得層の来店が減少している一方で、年収10万ドル(約1500万円)以上の世帯からの来客が増えていると語った。
年収の多少にかかわらず、すべての客はバリューメニューに引かれているという。アップルビーズのリブレット食べ放題やアイホップの「ブレックファスト・コンボ」など、新しいお得なサービスがあれこれ登場している。
ペイトン氏は「高収入のゲストは、お財布の管理も考えて当社のレストランを見つけている」と語った。
ダインでのトレンドは、何年にもわたる物価高騰の後、米国民の財布のひもがいかに固くなっているかを浮き彫りにす。低所得者層は節約のために、安いレストランを利用するのではなく自宅で食事をするという。
ファジーズ・タコ・ショップも所有するダインは多くの競合他社と同様、低価格の新商品で対応している。同社は通常1年以上をかけてプロモーションを計画するが、需要低迷を考慮し、最近のプロモーションの幾つかは5週間程度で実施したとペイトン氏は語った。
4-6月(第2四半期)には、アイホップとアップルビーズの既存店売上高が予想外に減少し、同社は年間収益目標の一つを引き下げた。高所得層の来店が増加したものの、来客数全体の減少を防ぐには不十分で、これが売り上げ減少の主因だという。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、マイケル・ヘーレン氏は「業績結果はバリューメニューへの集中がまだ実を結んでいないことを示唆している」と分析した。
原題:Richer US Diners Are Turning to IHOP, Applebee’s for Cheap Eats(抜粋)
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