(ブルームバーグ): 米系投資ファンドのKKRは、富士ソフトを買収する方針を固めた。公開買い付け(TOB)により、富士ソフトの発行済み株式を取得し、同社を非公開化する。
事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。富士ソフトの時価総額は約5000億円で、関係者の1人によると買収総額は6000億円規模になる。同社が近く発表する。
富士ソフトの広報担当者はコメントを控えた。KKRからはコメントを現時点で得られていない。
富士ソフトを巡っては、シンガポール拠点のアクティビスト3Dインベストメント・パートナーズが非公開化を含めた企業価値向上策を要求。富士ソフト側は3Dの依頼を受けた複数のファンドから非公開化の提案を受領し、独立社外取締役で構成する特別委員会を設置。是非を検討していた。
日本でのアクティビストファンドの動きは活発化している。3Dインベストメントは、投資先のサッポロホールディングスに対して不動産事業の見直しを求めているほか、香港のオアシス・マネジメントも花王に対して経営改善を要求していた。
日本経済新聞は7日、富士ソフトがMBO(経営陣が参加する買収)による株式非公開化の方針を固めておりKKRが資金を拠出すると報じていた。
ブルームバーグのデータによると、3Dは富士ソフト株を21.45%保有する筆頭株主でもある。非公開化の内容やプロセスに対する3D側の反応が今後の焦点になる。
富士ソフトは昨年8月、企業価値向上の一環として、TOBにより上場子会社4社を完全子会社化し、親子上場を解消していた。
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