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Richard Cowan Doina Chiacu

[6日 ロイター] - 米民主党のハリス副大統領は6日、11月の大統領選の副大統領候補にワルツ・ミネソタ州知事(60)を起用した。激戦州となるウィスコンシン州やミシガン州に近い中西部州の政治家を選び、農村部の白人有権者の支持獲得を目指す。

ハリス氏はXなどに投稿された文書で、支持者に向けて自身の決定を発表。ワルツ氏について「ミネソタ州の家族のために事を成し遂げた素晴らしい実績を持つ、実戦で鍛えられたリーダー」と称賛し、「そうした信念に基づくリーダーシップを私たちの選挙運動、そして副大統領職にもたらしてくれると確信している」と述べた。

ハリス氏は6日夜、ワルツ氏と共にフィラデルフィアで開く集会に参加し、正式に発表する予定。

ワルツ氏は陸軍州兵としての経験を持つほか、元教師で、高校でフットボールコーチとしても活躍した。2006年に議会下院選で当選し、18年にミネソタ州知事に選出された。

知事としては、学校給食の無償化や気候変動対策、中間層の減税、労働者の有給休暇の拡大など、進歩的な政策を推進してきた。

女性の生殖の権利を提唱する一方、農業保護や銃保有の権利を支持するなど、保守的な色彩もにじむ。

共和党の正副大統領候補のトランプ前大統領とJDバンス上院議員(オハイオ州選出)を「変人(weird)」と攻撃したことでも注目を集めた。

ワルツ氏は「ハリス副大統領は、政治で何ができるかをわれわれに示してくれている」とし、初心で臨む姿勢を表明した。

ハリス氏の副大統領候補に最後まで名前が挙がっていた東部ペンシルベニア州のシャピロ知事は「これからの90日間、ペンシルベニア州を隅々まで訪れ、友人であるハリス副大統領とワルツ知事の下でペンシルベニア州民を団結させ、(共和党大統領候補の)ドナルド・トランプ氏を倒す」と語った。

2016年の大統領選を民主党候補として戦ったヒラリー・クリントン氏は、ワルツ氏の起用に支持を示した上で、「米国初の女性大統領にとって素晴らしいパートナーになる」とし、「共に勝利しよう」と述べた。

一方、共和党大統領候補のトランプ前大統領は、ワルツ氏は「地上に地獄を解き放ち、想像し得る最悪の犯罪者に(米国の)国境を開く」とし、「ワルツ氏は史上最悪の副大統領になる!」と述べた。