日銀の利上げがきっかけ?…「キャリートレード」が世界の株価を圧迫している理由
コメント
注目のコメント
日銀がこれまでの説明をちゃぶ台返しのように変えたことが市場に不安を与えたと思います。政治サイドから物価抑制のために利上げを求められたら、どこまでも利上げするかのように受け止められたのが、悪夢の最大の要因だと思います。これから関係者が色んな公の場で説明を求められることになっています。不安を払拭する説明が必要だと思います。不安を増幅するようなことは、あってはならないことです。
そもそも今回の一件がある前に円キャリー取引が世界の資産価格を支えているという説は無かった訳ではありませんが、さほど議論されていなかったはずです。1~2日でいきなり持ち出され過ぎている印象もあります。破裂してから600兆ありました、というのは若干違和感覚えます。CFTCポジからキャリーがあったのは事実ですが、これはニュートラルまであと4割を切ってます
投資家は通常、幅広いプロダクツに資金を投じています。ここ最近で言えば円ショートと株ロングです。その際、どこかのプロダクツで損失が生じると、その穴を埋め合わせする為、ほかで益出しをする必要性が生じます。今回の場合、まず日銀の利上げがサプライズとなったことで円高を誘発しました。これが円ショート勢に円の買戻しを迫り、その過程で甚大な損失を与えたと考えられます。従って、一部の投資家がその後、株を売って益出しした可能性が十分に考えられます。日銀が利上げを行っていなければ、恐らく150円割れは避けられた可能性が高く、米国の減速懸念に加えて、日銀の利上げが期せずして世界の株安を招いた可能性を否定できません。尚、過去のコメントで記してきた通り、日本の実質政策金利(金利からインフレを引いた残り)はマイナス圏にあり、これは過度に緩和的な状況です。利上げそのものは全く適切だと考えられます。問題は事前の地均しもないまま利上げに踏み切り、サプライズを引き起こしたことです。金融政策の効果は、市場が予想外の動きを取ると期待通りに発揮されません。だからこそFRBは事前に市場に刷り込むのです。