[マニラ 5日 ロイター] - フィリピン中央銀行のレモロナ総裁は5日、中銀は政策を据え置くことが可能だが、物価上昇圧力が緩和し続ければ利下げを検討することもできるという認識を示した。議会の予算公聴会で述べた。
インフレリスクのバランスは下向きにシフトしており、インフレ期待は十分抑制されているとした。
「インフレ状況の変化は中銀が当面、政策を安定的に維持できることを示している」と指摘。「物価上昇圧力が緩和し続ければ、制約的な金融政策スタンスの緩和を検討することが可能になるだろう」と述べた。
中銀は6月の会合で政策金利を6.50%に据え置いたが、8月に25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施する可能性を示唆した。据え置きは6会合連続だった。
総裁はフィリピンペソについて、目標レートは設定しておらず、外国為替市場のストレスを防ぐ目的やファンダメンタルズから乖離した際に介入していると述べた。
ペソは5日、米景気後退に対する懸念を背景に対ドルで2カ月ぶりの高値に上昇した。
今週は7月のインフレ指標や第2・四半期国内総生産(GDP)が発表される。
総裁は今年と来年のインフレ率が中銀目標の2─4%の範囲内に収まる見通しだとした。