大暴落に見舞われた日本株市場、2日間の下落率は2011年の大震災以来
AI要約
- 1日本株は予想外の暴落を迎え、2日間でTOPIXは6.1%急落し、日経平均も8.2%下落したとのこと
- 2円高の影響やマクロ系ヘッジファンドの動きが暴落の要因とされており、海外投資家の売りが顕著だったとのこと
- 3市場は短期的に弱気に転じており、個人投資家のセンチメントも悪化しているとのこと
コメント
注目のコメント
1985年に住銀バンカース投資顧問(三井住友DSアセットマネジメントの前身)を立ち上げて、1989年末まで企画部長を務めたことがありました。1989年末は言わずと知れた日経平均株価がバブルの最後の最高値、38,915円をつけた当日で、その後株価は20年間下げ続け、反転上昇を始める直前の2012年には8000円前後になりました。1987年のブラックマンデーも当然ながら投資顧問会社で迎えています。そうした経験からの雑感です。
1987年のブラックマンデーの日経平均株価急落の原因は直前の米国株の急落でしたが、当時の日本経済は強固な基盤を持っていたため、日経平均株価は遠からずして上昇に転じました。
一方、1990年初に始まった日経平均株価の暴落は、金融引き締めと融資規制に端を発するバブル崩壊に多額の債務を負った企業のバランスシート調整が重なり、バブル下で高騰した不動産と株を担保に取った過剰な融資が不良債権化した銀行が追い打ちを掛ける複雑な構図が背景でした。
要するに、ブラックマンデーは主に一時的な市場心理の変動によるものであり、基盤となる経済が強かったため、比較的早く回復しました。一方、1990年の暴落はバブル崩壊に伴う構造的な問題が原因であり、これが長期にわたって経済全体に悪影響を及ぼしました。しかし、これは後になって分かってことで、いずれも最初の暴落時点で受けた担当者のショックは似たようなものでした。
今回の急落は米国株の下落に金融引き締めと円高が加わって起きたものですが、幸い銀行は融資余力を保ち、多くの主要企業のバランスシートも強固です。しかし、賃上げに先行する値上げと円安で企業が儲かり、異次元緩和による金余りが株価と不動産価格を押し上げていることも事実でしょう。異次元緩和下で日本経済の土台が強まっていれば遠からず回復軌道に戻ることが期待できますが、そうでなければバブル崩壊の二の舞になりかねません。
異次元緩和と財政拡張で利上げに耐えられない構図に陥った我が国で金融を正常化して景気が冷えれば、その原因を作った人達が自らの責任を棚に上げて日銀批判に回るだろうと言い続けてきましたが、そのトレモロでないことを念じます。ちなみに、先物は34800円と、金曜終値からさらに約1100円、-3.1%下落。
このままいけば、8月1日-2.5%、8月2日-5.8%だったので3日連続での大きな下落で、3日間で-11%。過去20年では12番目の3日間でのマイナスの騰落率となる。
トップは金融危機の時で、2008年10月10日の-18.5%をはじめ、その月に5件ある。次が東日本大震災を受けてちょうど3営業日の2011年3月15日の-17.5%、そしてコロナ禍での2020年3月16日の-12.4%をはじめ、この3つの時期で複数日で上位10位以内がある。
あとは2016年2月12日(-12.1%、原油価格高騰・円高含めたグローバルリスク回避)と2015年8月25日(-11.1%、中国の景気減速懸念などのリスク回避)。
この水準というのは、東日本大震災を除けば、まずグローバルでのリスク回避が起こっている。株が下落し、債券へのシフトがある。またそのなかで金利差などへの影響も出て、為替も動く。
米国・ドルが巨大ゆえに日本に限らずその動向による影響が大きい。そのうえで、米国以外の通貨での相対差やその変化のスピードの差で、要因は違えど円が買われやすい。
例えば主要通貨の中で日本だけこれまで金利が低水準(これは過去20年ほどずっとそう、利上げ曲面で他国より円安になりやすく、それが転換すると逆回転)。また今は利上げ方向と、主要他通貨は利下げ方向のなかで、かなり違うポジションにある。
東京株、2216円安 米景気懸念で急落、史上2番目の下げ―87年ブラックマンデー以来(時事)
https://newspicks.com/news/10355580
東証、連日の大幅安 米景気失速なら「3万3000円まで下落」も 一時2000円超安(産経)
https://newspicks.com/news/10354237
円相場1ドル=146円台 約4か月半ぶりの円高・ドル安水準(TBS NEWS DIG)
https://newspicks.com/news/10358018