【株価崩壊】エネチェンジを狂わせた「1000億円の呪縛」とは
- 誤算①人生を「全BET」した事業
- 誤算②ベンチマーク企業は「ほぼ死滅」
- 誤算③「脱炭素の巨人」たちも大苦戦中
- 誤算④時価総額「1000億円」の呪縛
- 誤算⑤上場から常に「割高」だった
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まずESGという大きな枠組み自体が転換点にある。投信、ETFなど全く売れないどころか解約続きであるし、米国などではアンチESG法なるものが軒並み共和党が強い各州で制定、施行されている。トランプ氏もバイデン氏のグリーンニューディールは直ちに葬ると公約し、Drill baby drillとすらのたまっている。
その枠組みの中で更にEV。当然に今踊り場。欧州でも筆頭の中国ですらも販売が伸び悩み天下のテスラもとうとう業績頭打ちが鮮明化。米国はそもそもカリフォルニアだけで全米では販売台数の一桁。日本は言わずもがなで主要国一低い。
なぜそうなるか。一つは当たり前にテクノロジーのハイプサイクル。期待と幻滅の繰り返し。もう一つは金融環境。コロナバブルが2021年をピークを境にインフレ退治金融引き締めによるハイパーグロース株の死滅。ここに例示された企業はいずれもハイグロ。そもそもフロンティアテックはみなハイグロ、生成AIもしかり、実際今AIバブルは崩壊の様相を呈している。
みたいな事を、このところ大学や方々で喋っています。が、その事と個別事案とは別。これはこれ、それはそれ。
が更に、ダウンターンにはスキャンダルは付き物である、これもまた古今東西世の常。
スタートアップを創業するには、「若者の勢い」や「子どもの無邪気さ」が必要です。ただし、そのスタートアップが外部から多額の資金を取り入れたり、上場して「少数株主」(少額から投資を始めて資産形成をしようとする個人株主)からも資金調達するようになれば、「大人の思慮」や「老練さ」が必要になります。それがうまくいった典型的な例がエリック・シュミットを迎えてエスタブリッシュメントになったGoogleのような巨大IT企業だったと思います。そこの準備が出来ていないのに、ある意味の「あざとさ」(表面的な知識と限定的な経験)と創業時の勢いだけで走ろうとすると、今回のような「痛恨のミス」が生まれるのだと思います。
スタートアップ経営者は、今回の「痛恨のミス」事案を参考にすべきです。
「株価至上主義」が悪いのですらなく、シンプルに「経験値の低さと思慮不足」(組織構造の不備)が招いた失敗の教訓がこのケースにあるのでは、と新年度の大学院のクラス(MBA)では私の見解を提示して、学生と議論してみようと思います。
改めて図版を作って見ると、エネチェンジがEV充電設備に参入を決めた2021年末というのはパーフェクトなタイミングであるとともに、パーフェクトすぎて全てを狂わしたのかもしれないとも感じました。
特集第2回は、上場の脱炭素スタートアップという視点から、今回の会計問題の背景に迫っています。
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