【テキスト版】エネチェンジ「疑惑の会計」3つのポイント
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注目のコメント
「こんなスキーム、見たことない」
エネチェンジの疑惑の会計について、経験豊富な公認会計士に取材すると、そんな感想が飛び出しました。
売上高の3分の1が吹き飛び、投資家を惑わせたエネチェンジの決算修正。動画「NPレポート」をより興味深く視聴できるよう、テキスト記事を用意しました。会計って、こんなにも解釈の余地があり、人間味のあるものだとは思いませんでした。
動画版はこちらです。
ぜひご覧ください。
https://newspicks.com/live-movie/4106会計を離れて結構経ちますので不正確なコメントかもしれません。その場合はご容赦ください。
この記事やインタビュー動画を見る限り、そりゃ連結ですよねと感じました。この点、当時のCFOなのかスキームを考案した方なのか分かりませんが、日本の会計基準の『スキマ』を意図的に狙ってるとしか思えませんでした。
連結の範囲に関して、エネチェンジ社が適用しているのは日本基準。これはIFRSに倣っており基本的な考え方に違いはないはずです。しかしIFRSと日本基準との間には『ルールの定め方』に対するスタンスの違いがあり、それが会計処理のスキマを生んでいる気がします。
連結の範囲の考え方は『支配』しているかどうか。支配は『パワー』を有しているかどうか。パワーは議決権だけでなく潜在的な議決権の他、関連当事者との契約や関連性のある活動を指図する『実質上の能力』の証拠、『特別な関係』、変動リターンに対する『エクスポージャー』等を考慮します。
これらに関して、IFRSは原則主義なのでかなり包括的に(悪く言えばザックリ)定められています。ですから、ありとあらゆる可能性を評価して結論づける必要があります。
一方、日本基準も会計基準としての根本的な考え方は同じはずですが、ルールの記載の仕方として、例えば『xxの場合はyy』など個別具体的な要件が定められていたりします。
全てを個別具体的に網羅するなど到底不可能ですので、そこにスキマが生じます。
またビミョーな事案の場合、事前に=SPC設立前に監査人と相談して握っておくのが『仕事のやり方』です。今回の場合、この辺りが無かった、あるいは監査人に対する情報開示が適切ではなかったということでしょうから、(個人的な印象として)若干悪意があったことを感じざるを得ません。