【執念】日鉄の 「2兆円買収 」、米国猛反対でも自信の理由
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買収発表後の経緯が、これほど注目される事例は滅多にありません。途中経過が逐次発表されることも珍しいといえます。
理由は、米大統領選挙という通常の買収にはない要素が加わり、混迷を深めているからですが、「反対」の声が根強い米国で、買収完了に向けて一心不乱に進む日本製鉄の姿勢には「執念」を感じます。
ここ数年の業績回復あっての「2兆円買収」でもあります。国内事業の再編、海外市場の開拓、米国進出と「強い企業」の経営とは何か、考えさせられます。日鉄のUSスチール買収の戦略的背景はこちらも参照。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02736/052900005/
自動車など鉄鋼を多く使用するメーカーの脱炭素、つまりGHG排出量Scope3の削減のカギのひとつは、カーボンニュートラルな鉄鋼を調達すること。こうした鉄鋼を生産できる有力な技術が水素活用した電炉だが金のかかる技術。今回の買収劇は、技術を買うという側面以上に、鉄鋼生産量のボリュームメリットにより脱炭素鉄鋼の単価を普及価格に抑える効果の期待も大きいです。がんばれ日鉄!ここまで来ると、日鉄は何のために買収するのかが分からなくなってきました。中国を念頭に置いた経済安全保障だったり、USスチールを支え、成長させるだったり、成長市場を取り込むだったり。なんだか買収が目的になってませんかね。
[米国における通商措置に関する当社方針について]
https://www.nipponsteel.com/news/20240627_100.html#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E9%89%84%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE%EF%BC%88%E4%BB%A5%E4%B8%8B,%E6%94%AF%E3%81%88%E3%80%81%E6%88%90%E9%95%B7%E3%81%95%E3%81%9B%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
『日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)のUnited States Steel Corporation(以下、USスチール)買収の目的は、米国でUSスチールを支え、成長させることです。』
[日経新聞]
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL19BM40Z11C23A2000000/
『日鉄は先進国最大級の市場規模で成長も見込める米国の需要を取り込みます。粗鋼の生産1トンあたりの純利益で見るとUSスチールなど米国大手は日韓大手を大きく上回っており、利益率の高い市場です。日鉄はEVモーターに使う鋼板など高い技術力を持っており、USスチールが保有する製造効率が高く温暖化ガスの排出量を抑えた電炉と相乗効果を狙います。』