【3分解説】トヨタ「過去最高」決算をサクッと理解する
- 好調のHVが牽引
- 円安効果は「3700億円」
- 円高、認証&品質問題…懸念材料も
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トヨタの凄まじい勢いが持続していることを感じさせる決算でした。円安を追い風にしきれる体制やHVの圧巻の売れ行きなど、この15年のトヨタが撒いてきた種で、偶然の産物ではありません。記事中ではあえて、非常に大きかった原価低減にも触れてみました。
今後に向けては各紙で報じられた円安と認証不正はもちろんのこと、個人的に気になってるのがリコールの多さです。今年に入ってからヤリスやシエンタ、プリウスといった主力でリコールが相次ぎました。日本で報じられていませんがアメリカでは10万台のどでかいピックアップトラックのV6エンジン交換を発表しました。詳しくは是非記事をご覧いただきたいですが、このあたりが2Q以降にどう影響してくるか注目しています。
毎年3000億円の原価低減は、決して美談にしてはいけません。
本来ならば歴史的円安から得ている巨額の為替差益を下請け部品メーカーや人件費に還元できるところ、内部に貯めこんでいることが「隠蔽」されてしまうからです。円安が国民生活に悪影響を与える元凶は、大手輸出企業のこうした「原価低減良いこと」メンタリティーにあります。
米国向けHVの一本槍経営が、長続きするはずもありません。日本が誇る唯一のグローバルトップ企業の未来がこれではとても心配です。
貯めこんだ巨額の為替差益を還元するか、あるいは、サステナブル経営への構造転換の原資とするか、トヨタの経営陣には厳しい責任感と決断を求めたいです。
トヨタに限った話ではないのですし財務の私が言うのもアレですが、原価低減という言葉は不思議ですよね。
毎年のように大きな金額が低減されている。原価が低減すればその分の利益が増えるはずだし、継続的な原価低減によりそろそろ原価がゼロになってもいいくらい(なるわけないけど)。
原価低減というものは、生産効率化によって固定費当たりのアウトプット(台数)が増加するか、社外から購入する材料・部品(変動費)が安くなるかのいずれかです。
前者は、ベースアップなど固定費アップ要因がありましたし、仮に生産効率化されても需要(販売台数)がないと在庫に溜まるだけです。後者は、資源高騰により本来は増加する一方のはずです。
それなのに毎期この規模で原価低減されるっていったいどういう事なんだろう?といつも思います。
繰り返しますが、財務屋の私が言うのもアレな話です。(そういう目線で捉えた方が良いですよということです)
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