事業機会となりうる、原発再稼働のために必要な条件
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地熱は開発の流れを進めたい、ロシアへの資源エクスポージャー拡大は懐疑的。以下各論:
① 地熱発電のポテンシャルについては同意。地熱発電には夢と浪漫がある。
環境省が2010年に取り纏めた「低炭素社会づくりのためのエネルギーの低炭素化に向けた提言」では、国内における地熱発電の導入量(設備容量ベース、中位シナリオ)を、現状0.5GWに対して、2020年に0.8GW (現状の1.5倍)、2030年に2.1GW (現状の4倍)、2050年に7.6GW (現状の14倍)と見込む。
http://www.env.go.jp/earth/report/h24-08/chpt02a.pdf
地熱は安定的に発電可能なベースロード電源。地熱は水力、原子力とともに、最優先の接続対象とされる。
経産省系の独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、地熱資源の開発調査事業に対して助成金を付与し、国内の地熱開発を推進しようとしている。2014年度においては、民間主導の23の地熱開発プロジェクトが助成金交付の決定を受けた。
http://www.jogmec.go.jp/geothermal/field_surveys_001.html
② ロシアからの電力輸入/ガスパイプライン接続については、意義はよく分かるが、個人的には実効性に懐疑的。ロシアとの間で対欧米諸国のような法と契約に基づく関係を長期間に亘って維持できるかについて、未だ確信を持てない。私は、わずか7年前のサハリン2石油ガスプロジェクトの教訓を忘れていない。
サハリン2では、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、三井物産、三菱商事からなる国際コンソーシアムが、ソ連崩壊後の1994年にロシア政府とPSA(生産物分与契約)を結び、サハリン(旧樺太)において石油ガス田を開発。しかし、生産開始直前の2008年に、ロシア国営ガス会社のガスプロムが権益の半分を簿価近くの廉価で国際コンソーシアムから奪取した(※)。日本や欧米各国は、ロシアリスクをまざまざと見せつけられた(この10年前の1998年にはロシア金融危機も発生している)。
(※)ガスプロム参加の表向きの理由はサハリン2が環境破壊を引き起こしているためというものであったが、真の理由はロシア国内における資源ナショナリズムの台頭という指摘がある。