【基礎から解説】ハマス最高指導者「暗殺」の、本当のヤバさ
- 重要性:殺害されたのは何者?
- 影響:「ガザ休戦」が絶望的に
- リスク①:イランの「大規模報復」
- リスク②:周辺を巻き込む「中東戦争」
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イランは、イスラエルに大規模攻撃を行うでしょう。それは、今週か来週には起こるでしょう。
2024年4月にイランがやったような、ミサイルやドローンを大量にイスラエルへと放つ、その大部分はイスラエルに撃ち落とされる、というものになる可能性が高いです。
問題は、その後です。
イスラエルが1発殴ったからイランも1発殴り返す、というだけでは終わりません。
イスラエル政府は、それで収めようという気はないからです。
イスラエル政府の戦争目標は、到達点が明確にされていないところが多いですが、安全保障の確立です。
すなわち、敵勢力、ハマース、ヒズブッラー、イラン革命防衛隊の無力化です。
少なくともハマース、できればヒズブッラーも消滅させたいでしょう。
イランについては、さすがにイラン・イスラーム共和国の消滅までは目指さないでしょうが、核兵器開発の阻止が最も重要な目標でしょう。
イスラエル政府は、そういった戦争目標が達成できるようにもっていくためにこそ、戦争を強いています。
ヤクザの襲名式をやっているところに鉄砲玉を撃ち込んで幹部らを殺害したようなものです。
組の存続が危うくなるとしても、親分衆たちは、子分らに道具を持たせて報復に出ざるをえないでしょう。
それでは、イスラエルの目論見通り、各地のイラン系勢力が戦争に応じたとして、どのような展開になるのか、が問題です。
イスラエルは、2023年の終わりの時点で、「長い戦争」を戦っていく意思を公にしています。
ガザ地区とハマースだけのためにここまでやらないでしょう。
当面、第1の標的はレバノンのヒズブッラーでしょうが、ヒズブッラーを消滅させようとすれば、レバノンで長期の内戦を発生させようとする必要があります。日中戦争の時に、「中国共産党をどうすれば消滅できるか」というようなもので、国のあり方をいじる必要があります。
イランは、子分たちが殺されていくのはただ座して見ているわけにはいきません。
ミサイルやドローンを数百発撃っても花火のようなもので、実害は少なく、子分たちは救われません。
イランも長期戦でイスラエルを苦しめるしかないでしょう。実効性のある攻撃対象は、ヨルダン、ペルシア湾、サウディアラビアです。アゼルバイジャンも狙うかもしれませんが、イスラエルへの打撃にはなりません。
昨日夜の急な取材からここまで分かりやすい記事を仕上げられたのはさすがです。お疲れさまでした。
4月にシリアのダマスカスのイラン大使館領事部にミサイル攻撃を受けた報復として、イランはイスラエルに対して300発以上の弾道ミサイル、巡航ミサイルや無人機による攻撃を行いました。イランはあの時、「在外公館というのは自国と同じであり自国の領土が攻撃されたのと同じだ」としてあれだけの報復攻撃を行いました。
今回はイランの首都テヘランの中心部で、ハニヤが滞在していたのはイラン大統領府の関連施設だとされています。近くには他の外国の要人も多数滞在していたと言われていますので、そんなイラン政府の心臓部のようなところを攻撃されて、イランが黙っているはずはありません。4月以上の攻撃をしなくてはならないと考えるのが普通ではないでしょうか?
実際、攻撃後のハメネイ師の声明でも、「われわれの土地」が攻撃されたという表現が2度使われています。
今後各地でハニヤ氏の葬儀がとり行われますが、その後、報復作戦が本格的に準備されていくことになると思います。
イランは米国を巻き込まずにイスラエルだけを攻撃する方法を考えると思いますが、それに対してイスラエルは米国を引き込もうとするのではないかと思います。下記のサイトに昨日投稿したコラムも参考にしていただければ幸いです。
https://www.oasis-academy.jp/blog/2024-07-31
ガザでは人が多く殺害されすぎていて、もはやニュースの重要性がよく分からないかもしれません。しかし、今回は本当に深刻です。正直、昨日ニュースを見た時は「本当に?」と思いました。
ハマスの最高指導者ハニヤは、普段カタールのドーハにいてちょくちょくイラン・テヘランにも出向きます。例えばその飛行機も含め、イスラエルが暗殺する機会はこれまでもあったのかもしれません。今まではそれをやってこなかったことを今回、実行に移しました。
正直、今回の一件を受けて、もはや中東の危機は「矛の収め方」が分からない状況になったように思います。おそらく1〜2週間くらいで次の展開があり、場合によっては深刻な危機に入っていくことでしょう。それを見通す上で重要な暗殺事件の読み解きをまとめましたので、是非ご一読ください。
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