日銀が政策金利0.25%に引き上げ、経済・物価想定通りなら利上げ継続
AI要約
- 1日本銀行は追加利上げを決定し、政策金利を0.1%から0.25%に引き上げた
- 2長期国債買い入れの減額計画を示し、2025年度末までに段階的に購入額を減らす方針とのこと
- 3植田総裁は基調的なインフレを重視し、今後も利上げを継続する意向を明らかにした
コメント
注目のコメント
これで植田日銀になってから会合後のドル円相場は100%円安になっています。政策内容への評価とは別に「今回も午前2時に特報が出て来るかな」というのが市場参加者の中で当然視されている状況が健全なのかどうかは対外的に疑問視されるようには感じます。事前に内容が分かっていれば、現実がそれを超えない限り、必ず事実と共に反対売買されるので、こうした値動きが今後も続くことになろうかと思います。
利上げそれ自体は円高へ振れている中での決定ということで「為替とは関係ない」というロジックを張れる部分に関し、良かったのではないかと思います。実質個人消費の弱さとの関係で難しいリーズニングを迫られそうですが、円安経由のインフレで消費が弱いという建付けであれば利上げは処方箋という主張になるのでしょうか。会見に注目です。今回の政策決定に関しては、利上げ自体もさることながら、日銀が声明文の中で、物価が見通しに沿った動きをする限り、今後も継続的に利上げを継続する方針を示した点が重要です。
私自身は、各所で寄稿したように記事の言う「少数派」ではありましたが、日銀がここまで踏み込んだことはやや意外ではありました。また、物価上昇圧力の主因が「第二の力」へシフトすることに自信を示したことも印象的です。
その上で、リスクバランスチャートをみると、来年度のコアインフレ見通しには相応のばらつきがあり、見通しの実現にはリスクも意識されている点に注意する必要があります。円乱高下といっても僅かな範囲で円安と円高が押し合いしている感じです。政策金利の引き上げ幅は3月の0.1%に0.15%を加えて0.25%刻みの引き上げのスタートラインに立ったに過ぎませんし、国債減額もこれまでの月間6兆円規模の買入れを当面5兆3千億円に減らしただけで、長期金利が急上昇するほどのものじゃないでしょう。今後の説明次第で一波乱ないとは限りませんが、金利上昇に耐えられない構図に陥った日本経済にショックを与えない範囲でそろりと正常化の方向にコマを進めたという程度なので、円高効果も高が知れていそうに感じないでもありません。さてどうなるか (・・;