2024/8/1

【注目】シンガポールで進んでいる「培養肉のいま」

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INDEX
  • 🌮 培養肉はSF"だった"
  • 🥩 味も食感も本物さながら
  • 🙌 信者でも食べられる
  • 💰 培養肉は進化し続ける

🌮 培養肉はSF"だった"

今年5月、シンガポールのある店が一般向けに人工肉の直接販売を開始した。それは食の歴史、いや、人類の歴史において注目に値する出来事だった。
ある土曜日、Huber’s Butchery(以下Huber’s)という店を訪れた人々は、シェフがフィレ肉をソテーし、アボカド、ピコ・デ・ガヨ、シラントロと一緒にタコスシェルに入れて提供する様子を眺めていた。
その肉の3%は鶏の細胞から作られ、残りは植物性タンパク質から作られたものだった。
その肉は見た目も食感も味も鶏肉のようだった。サーシャ・ウェニンガー(39)は、買い物かごにその肉を3パック入れた。
「私は肉を食べるのが好きなので、動物虐待をせずに肉を食べることができれば理想的です」と彼は言った。
一方で、人工的に培養された肉にそれほど魅力を感じない人もいた。 「自然に育った新鮮な鶏肉が手に入るのに、なぜ人工的なものを食べる必要があるのでしょうか」とフィリップ・リトゥー(58)は語った。
(写真:Ore Huiying / New York Times)