2024/7/30

【3分理解】「プライマリーバランス黒字化」って、どう凄いの?

NewsPicks 編集部記者
プライマリーバランス」という言葉をご存じだろうか。
「一度も聞いたことがない」という人は少ないと思われる一方で、具体的に何を指しているかわからない人も、かなり多いかもしれない。
マクロ経済に関する話題で「プライマリーバランスを黒字に」などとよく耳にするこの言葉は、「PB」とも略され、正確には「国と地方の基礎的財政収支」という。
日本のPBは、これまで毎年、数兆〜30兆円ほど(コロナ禍では50兆円超)の赤字を計上してきた。
ところが、政府は29日の経済財政諮問会議で、2025年にも初めてPB黒字化を達成する見込みとの試算をまとめた。
岸田首相はこの会議で
経済あっての財政の考え方の下(略)、消費の回復に必要な物価上昇を上回る所得・賃金の拡大に向けた取組を確実に実行する
と今後に向けた意気込みを語った。
経済財政諮問会議で発言する岸田首相(29日、写真:時事)
日本の財政を巡っては、よく「国債が総額1000兆円超え」「1人あたり1000万円の借金」などといった内容が報じられ、「借金大国」とも言われる。
それが、今回のPB黒字化で何か好転する兆しはあるのだろうか。
本記事では、そもそもPBが何を表すもので、黒字化とはどれほどすごくて、さらに国にとってどのような影響があるのか。
超基礎から解説していこう。
INDEX
  • Q①:そもそも「PB」とは?
  • Q②:なぜ「黒字化」が見えてきたの?
  • Q③:で、黒字化したら借金は減るの?