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【世界基準】夏休みを効果的に過ごす3つの習慣

【世界基準】夏休みを効果的に過ごす3つの習慣

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南 和気
南 和気のキャリア・人事のホンネ南 和気

もうすぐ夏休みという方も多いのではないでしょうか。いろんな計画があると思いますが、休み中の過ごし方次第では、せっかくの休みにかえって疲れてしまったり、休み明けになかなかエンジンがかからなかったりしてしまうものです。

グローバル企業では、しっかりリフレッシュして、休暇明けすぐにパフォーマンスを出せるように、「効果的な休みの過ごし方」を社員に教えることがあります。

前回の投稿で触れた想像力を鍛えるためにも絶好のタイミングですので、今回はその方法とともに、 グローバルリーダーたちが実践する「休暇中の3つの習慣」を解説します。

◇日本は意外と休みが多い国

まずは世界や日本において「休暇」がどうなっているかを見てみましょう。

「日本は休みをとりにくい国」とよくいわれます。実際、有給休暇を取得するときは上司や周囲に気を遣う人も多いのではないでしょうか。2019年からは労働基準法の改正で、「年5日以上の有給取得」が義務化されましたが、まだまだ他の先進国と比べて取得率は低い状態です。

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・ドイツ:93%

・アメリカ:80%

・韓国:67%

・日本:60%

「有給休暇の国際比較調査 (エクスペディア 2021年)」より

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一方で、日本は祝日の多い国でもあります。G7主要7カ国のなかで、日本は突出して祝日の多い国で、ドイツは最下位の9日しかありません。

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・日本:18日

・イタリア:12日

・アメリカ:11日

・ドイツ:9日

「ジェトロ (世界の祝祭日)」より

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上記をふまえ年間の労働時間でいうと、日本は世界30位です。韓国5位、アメリカ12位、オーストラリア19位なので、世界の水準で比較すると、実は労働時間が比較的短く、祝日が多い国です。

◇企業における休暇制度の変化

企業の休暇制度も、グローバル企業を中心に新たな制度がどんどん生まれています。

たとえば、マイクロソフトやネットフリックスでは「無制限休暇制度」が導入されています。これは、これまで年間の取得日数に制限のあった有給休暇の日数を無制限にしようという制度です。パフォーマンスさえ出してくれれば、いつ・どれだけ休んでもいい。まさにアメリカらしい発想で、社員が働きやすい環境を用意しています。

また、「サバティカル休暇」といって、数カ月から1年程度の長期の休暇を取得できる制度も広がりつつあります。欧米では一般的な制度で、前述のマイクロソフトや、私が勤務していたSAPでも導入されていますが、最近では、ヤフージャパンやリコーなど日本企業でも導入が進んでいます。

このように、休暇制度の在り方も変わってきているからこそ、社員にとっては「休みをどう過ごすか?」は非常に大切で、しっかり休息をとってリフレッシュすると同時に、スキルアップもしてしまうことで、仕事のパフォーマンスにも大きな差となって表面化します。

では、しっかりリフレッシュして、スムーズに休み明けの仕事に入っていくための3つのコツを紹介します。

◇休みを効果的に過ごす方法①「規則正しい睡眠をとって記憶を整理する」

まず、最初に心がけるべきなのは「睡眠の質を上げる」こと。人間の脳では、「海馬」という場所で記憶されます。海馬では、たくさんの神経細胞(ニューロン)がシナプスという接合部によって接続し、神経伝達物質が送られることによって記憶されます。このシナプスのつながりが強い状態が数時間続く現象を「長期増強(LTP)」と呼ばれ、睡眠中にはこのLTPが繰り返し起きることが知られています。

睡眠によって記憶が定着すると言われるのは、このシナプスのつながりが強められるためですが、一方で、記憶の消去も睡眠によって促されます。

大事な記憶を定着させ、忘れたい嫌な出来事を忘れるためにも、まず普段取れていない睡眠をしっかりと取って肉体的にも精神的にもリフレッシュすることが大切です。

◇休みを効果的に過ごす方法②「脳の作業台を片づける」

人間の脳は「長く集中するのではなく、休憩を入れながら断続的に作業する」ほうが効率的なことがわかっています。これは、休憩のたびに脳の作業台にあたるワーキングメモリにスペースを少しずつ作りながら作業できるからです。

しかし忙しい毎日では、このワーキングメモリを完全に整理しきることは難しく、すぐにいっぱいになって集中力を欠き、ミスをしやすい状態になっています。そこで、まとまった休みの間にいったんワーキングメモリを完全に解放することが大切です。

心理学者のカプラン夫妻が提唱する「注意回復理論」では、自然に身を置くことで、ワーキングメモリが解放され、思考の柔軟性が回復すると言われます。

みなさんも自然のなかに身を置くと、普段気にしなかったような鳥のさえずりや、空気の匂い、草木の色の変化に気づくと思います。これはワーキングメモリが解放されて、目の前のことに集中できる状態になっている証拠です。時間のない方は、遠くまで出かけなくても、近所の公園などでも効果はあります。ぜひどこかで自然のなかに出かける計画をたててみてください。

◇休みを効果的に過ごす方法③「小説を1冊読む」

これは、私がグローバル企業で若いときから指導されてきた休みの過ごし方です。私自身、社会人になってから小説のような書籍をほとんど読んでいなかったのですが、あるときから毎年休みの間だけ1冊読むようにしています。これは、想像力を鍛えるためです。

普段の仕事の中では、判断力や、思考力といったスキルを鍛えることはできます。しかし、想像力を鍛えることは簡単ではありません。

とくにリーダーにとって、部下や周囲とうまくコミュニケーションするためには想像力は欠かせないスキルですが、この想像力を、効率よく鍛える方法が読書です。しかもビジネス書ではなく小説を読むことが大事なポイントです。

できれば、普段の現実社会ではあまり関わらないような内容がおすすめです。

私の場合、SFやファンタジー、または行ったことのない外国を舞台にした小説を選びます。そして、文章のなかに描かれている世界を自分の頭のなかで映像化しながら、まるで映画を見ているように読書することを意識します。風景や登場人物の姿、声や、周囲の音などなるべく詳しく再現することで、自然と想像力が鍛えられています。

長い小説である必要はないですし、休みの間に読み切れなければ途中で終わっても構いません。休みを過ごしながら、自宅や、旅行先で、ちょっとした時間に読書の時間をもつだけで、普段と違う頭の疲れを感じる人が多いと思います。その感覚こそが、想像力が向上している証拠です。

今回の3つの習慣は、まとまった休みだからこそできる、しっかりリフレッシュしながらスキルも高める方法です。ぜひ実践して素晴らしい夏休みをお過ごしください!

Top画像@Linustock


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コメント


注目のコメント

  • 横山 椋大
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    京都大学大学院地球環境学舎 /地方創生×環境・エネルギー

    とりあえず4月から7月まで全力で課題やら仕事やら大学院でのやることに全力疾走したので、
    ちょっとリフレッシュしたいです。笑
    ちなみに僕の研究室は、日本人は僕だけで他は海外の留学生、指導教員もドイツ人です。
    夏休みになればバケーションでどこかに行こう〜
    とこの間話していました。日本人とは違うなぁと感じます。

    私は夏休みなど長期休暇は規則正しい生活と本と、あとは旅をしてリフレッシュするとともに、世界を広げたいなぁと思います。

    また、特に大学生は授業がなくなり、一気に生活が乱れる時期でもあると思うので、このような記事は非常に参考になるかと思います。


  • 岩本 涼
    badge
    株式会社TeaRoom 代表取締役

    「携帯を手放す」が1番大切なように思いました。小説を読むのもkindleではなく、紙媒体で。少し都心を離れて、携帯を自宅に置いて旅に出るのもいいですね。


  • 井上 裕美
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    日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社 代表取締役社長

    緑の自然の中に一日いると、デジタルデトックスができて、なお森林浴をしたからか、いつもより段々眠たくなってきてよく眠れます。
    自分でも良い睡眠の後には、新しいことにひらめくことが多く、夏休みはオンオフ切り替えてよく眠ること大事ですね。
    大人だけでなく今の子供達は忙しいですから、夏休みは子供達もゆっくり自然の中で育ち良質な睡眠をとらせていると、頭の中の情報が整理されていて、昨日できなかったことが、今日はできている、ことを感じます。


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