【特報】会計疑惑のエネチェンジ、城口CEOが退任へ
コメント
注目のコメント
上場会社は、独立した会計監査人(監査法人等)の設置が義務付けられていますが、その費用は上場企業が負担します。それでいて、正しい監査を求められるわけですが、会計監査人は一種の利益相反状態にあるといっても過言ではないと思います。
会社法第340条では、会計監査人の解任に関し、以下のように定めています。
監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。
1 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
2 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。
3 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
つまり、むやみに解任はできないのですが、私が知るところでは、経営者側に都合が悪い会計監査結果が報告されるとき、解任の動きに晒されることが多くみられています。
会計監査人を雇っているのは監査される企業ですから、今回のように企業が会計監査人に圧力をかけていると思われる行為が想定されます。しっかりと会計監査人を保護しないとこのような問題はなくなりません。不十分さを感じます。
会計監査人が根拠となる情報に基づいて正しいと信じる報告を行うことは、会計監査人の責務です。経営者の半ば脅しのような行為に怯んでしまい、誤った監査をすれば、その後問題が発覚した時に、会計監査人自体の見識が問われ、場合によっては違法行為として処罰されます。あずさ監査法人は厳格な監査法人として知られています。例えば、あずさ監査法人は2011年に発覚したオリンパス事件で注目を浴びました。日所に厳しいが頼りになる監査法人です。
私が所属していた会社もあずさ監査法人を雇っており、私自身も高額な費用処理のマネージャーとしての経験があります。経理処理上の疑問点などがあれば必要に応じて質問し、あずさ監査法人の各業務領域に対する定期的な監査指摘に対しては、誠実に回答し、必要に応じて対応すれば、このような問題は未然に防げたと思います。
その経験から推察すると、城口さんが退任し、CFOが新たに就任するという事態になったのは、城口さんが違法な行為を行ったと思われます。やはりスタートアップは会社としての成熟度がまだ足りない面があります。その意味で、このケースも「長い時間をかけて築き上げたものが、一瞬で崩れ去る(築城3年、落城3日)」の故事に当てはまると思います。会計処理問題で上場廃止の危機もあるエネチェンジの続報です。
エネチェンジは2020年コロナ禍の年末に上場しました。当時はAIブームの前で、気候テックはサイバーセキュリティと並んで最もホットなテーマ。エネチェンジへの期待も高く、海外銀行が大株主に入っています。
株価は低迷しているとは言え、国内外の電力パートナーやエネルギーデータを持っており、欲しがる企業は少なくないでしょう。記事にもある通り、PEファンドが手を伸ばす可能性はあります。