2024/7/31

【読書】ラテン語を知ると「世界の見え方」が変わる

NewsPicks編集部
NewsPicks編集部が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、話題の書籍の要約をお届けする連載「10分読書」。
今回は『世界はラテン語でできている』(SBクリエイティブ)をお届けする。
ぜひ、日常のひとときで新たな知識を手に入れてほしい。(4773文字)
(写真:vwalakte / Gettyimages)
INDEX
  • 🤔 ラテン語ってなんだ?
  • 🌏 ラテン語と世界史
  • 🗣 ラテン語と政治
  • 🚗 ラテン語と現代

🤔 ラテン語ってなんだ?

実は身近なラテン語
ラテン語はイタリア半島中西部の、一都市の言語として産声を上げ、古代ローマの勢力拡大に伴って通用する地域を広げていった言語だ。
その後もヨーロッパの書き言葉に広く使われ、現在のフランス語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、ルーマニア語などの元になっている。
ルネサンス時代にはイングランドに住む文人たちがラテン語の多くの単語を英語に借用し、その結果ラテン語は英語の語彙にも影響を及ぼした。たとえばpush「押す」の語源はラテン語のpulso「叩く」だ。
我々は知らず知らずのうちにラテン語やラテン語由来の言葉に接している。最も頻繁に目にするのは、AからZの「アルファベット」と呼ばれる文字だろう。
これは、ラテン語を書くために古代ローマで生まれた文字であり、正式には「ラテン文字」という。
さらに、午前を指すAMはラテン語の「正午の前に(ante meridiem)」、午後を指すPMはラテン語の「正午の後に(post meridiem)」の略だ。
etc.と略される「エトセトラ」はラテン語のet cetera「~と他のものたち」が元になっているし、犯行時に現場に居なかった証明を指す「アリバイ」も、元はラテン語のalibi「他の場所で」である。
(写真:Ekaterina Burtseva / Gettyimages)

🌏 ラテン語と世界史

地名に残るローマ帝国の遺産